カテゴリー別アーカイブ: コレステロール値の調整

杏は糖の吸収を抑制

杏の薬効

アンズは、古くからその薬効が注目されてきた伝統の食品です。原産国の中国で貴重な果物とされてきたばかりか、西洋の国々でも「黄金のリンゴ」と呼ばれて珍重されてきた果物です。
アンズの薬効として広く知られているのは、セキ止めや鎮痛の作用があります。
これは、種子の中のアミググリンという物質の働きによるものです。
アンズの種子はアンニン(杏仁) という名の生薬として用いられています。この種子に比べると、アンズの果肉のほうはあまり注目されていませんでした。ところが、アンズの果肉には、糖の吸収をおさえる働きがあり、糖尿病食としても有効な果物であることがわかったのです。

ごはんやパン、めん類などの炭水化物は、酵素という体内の化学反応を促す物質の働きにで分解され、最終的にブドウ糖となって小腸から血液の中に吸収されます。
健康な人が食事をすると、だいたい食後20~30分でブドウ糖となった炭水化物が血液中に吸収され、血液中のブドウ糖の濃度を示す血糖値はなだらかに上昇し、ゆっくりと正常値に戻ります。
ところが、糖尿病を患っている人や、糖尿病の傾向のある人は、食後の血糖値が急激に上がり、非常に高くなった後でストンと落ちるという独特な血糖値の変動曲線を描きます。このため、糖尿病の治療には、消化を促進する酵素の働きをできるだけおさえて、血液中にブドウ糖が入るのを遅らせる薬が用いられています。
このような薬は、炭水化物を最終的にブドウ糖に分解するαグルコシダーゼという酵素の働きをおさえるものです。
この薬と同じ効果をもたらす働きが、アンズにあるのです。
炭水化物を分解する酵素の働きをおさえることができる果物は何かを探りました。対象とした酵素は、唾液の中に含まれ、炭水化物分解の第一段階を担当するαアミラーゼ、そして小腸の中に存在し、最終的に炭水化物をブドウ糖に分解するαグルコシダーゼの二つです。実験は、果物を細かくして水に溶かし、それぞれの酵素の働きを半分にするために必要な果物の濃度を調べたものです。
酵素の働きを半減させるのに必要な量が少ないほど、酵素の働きをおさえる力が強いというわけです。実験の結果、アンズ(干しアンズ) は3%の濃度でαアミラーゼの働きを半分におさえました。
αグルコシダーゼの働きは8% の濃度で半分におさえました。ほかの果物と比べてたいへん高い効力が認められたのです。ほかの果物ではプラム、マンゴーにも効果がみられました。レモンやアボカドはαアミラーゼの働きをおさえる効果はありますが、αグルコシダーゼのほうにはあまり効きません。スイカの場合では、これら二つの酵素の働きを活発にしてしまいます。つまり、アンズは炭水化物を分解する第一段階と最終段階のいずれにも、効力を発揮する性質をもっているのです。なぜアンズはこれらの酵素の活性をおさえ、糖の吸収を遅らせることができるのでしょぅか。それは、アンズに含まれている成分に秘密があります。

血糖値調蔀のカギはアンズの渋みの成分

アンズを食べると、渋みを感じるでしょう。その渋みは、ポリフェノール類という、植物に含まれる色素や苦みの成分によるものです。
アンズはポリフェノール類の中でもカテキンという物質を非常に多く含んでいます。ヵテキンにはたんばく質にくっついて結合する性質があります。
酵素はたんばく質ですから、カテキンと結合しやすいのです。特に、酵素の活性中心という部分にカテキンが付着すると、酵素の活性が失われます。これによって炭水化物の消化作用がおさえられます。実験は試験管で行ったものですから、人がアンズを食べたときに実験と全く同じ効果が得られるとはいえません。食品の中にはスイカのように炭水化物の分解酵素を活性化するものもあります。食材の組み合わせも考える必要があるでしょう。しかし、糖の吸収をおさえる医薬品に肝機能障害の副作用があることが最近になって報じられています。
こうしたなかで、医薬品ではなく、したがって副作用の心配なく糖の吸収をおさえる働きをもつアンズを糖尿病食のデザートに用いるのは、たいへん有益であるといえます。
それでは、アンズはどのようにデザートに取り入れたらよいのでしょう。
干しアンズでしたら、素朴な味をそのまま味わうのもいいでしょう。日本のアンズは酸味が強く、生で食べるのには向かないものが多いので、生の果実を漬けて果実酒を作るのもいいですね。この場合もカテキンの効力は活かされます。これはカテキンが非常に水に溶けやすい性質を持つためです。注意したいのは、調理して用いる場合です。酵素の活性をおさえるカテキンは、長時間加熱するなど空気に触れさせると酸化して、働きが弱まってしまいます。干しアンズを煮込んでデザートにする場合には、深い鍋で空気に触れないように調理するといいでしょう。アンズに血糖値調節の成分が含まれているからといって、食べすぎては糖分の摂りすぎになってしまいます。目安として1日10g程度(干しアンズで2~3個) が有効だと思われます。アンズにはニンジンに匹敵するほどのβ カロチンが含まれています。ですから糖尿病の人に限らず、積極的に食事に取り入れたいものです。

20分以上のウォーキングを週3回でコレステロールが下がる

「はや歩き」がコレステロールを下げる

ウォーキングを続けると、コレステロールや中性脂肪が減少し、心臓病、肥満、動脈硬化、糖尿病などの生活習慣病 の予防になることが確認されています。
ウォーキングといっても、いろいろなべースの歩き方がありますが、最大酸素摂取量 の半分 の量を消費する運動強度で歩くのがいいこともわかっています。半分程度の運動強度は年齢や体力レベルによって違ってきますが、具体的には、40歳以上では、運動した直後の脈拍が1分間で100~115になるようなペースが最適です。

10分も歩けばじわっと汗ばむ程度のペースです。この「はや歩き」こそ、脂肪の燃焼効率がとてもいい歩き方なです。
歩くことが動脈をやわらかくし、高血圧や心筋梗塞などの予防になることがわかったのです。
。総コレステロールも顕著に下がったケースもありました。当然、体脂肪も減少しています。

1週間に3回以上歩く

ウォーキングがこれほどまでに効果を発揮したのはどんな理由からでしょうか?最大酸素摂取量の半分の強度の運動は、体脂肪を最も効率よく燃やしてくれるからです。
体に蓄えられていた脂肪がよく燃え、血液中のコレステロールなどの改善にもつながったのだと考えられます。

片足立ちは、両目をつむったまま片足で何秒立っていられるかというバランス感覚のチェックですが、これもぐんと改善しました。これは、ウォーキングによって足腰の筋肉が鍛えられたためですが、こうした運動能力の改善によって転倒しにくい体づくりが可能であることもわかりました。
コレステロールを上げるためには、どんな歩き方をすればいいでしょうか?初めての人は、「二〇分以1 歩く」にこだわる必要はありません。歩く時間は最初、10分程度でけっこうです。それから徐々に時間を延ばします。コレステロールや中性脂肪の値の改善をめざすなら、最終的に少なくとも20分以上(できれば30~40分) は歩きましょう。回数は最低でも週に3回、可能な人は毎日でもけっこうです。

歩き方のポイントは次のとおりです。

  1. あごを引いて背筋を伸ばす。視線は数10メートル先の路上を見る
  2. 両腕はリラックスさせ、足の動きに合わせて前後に大きく振る
  3. 着地はかかとから。そして、つま先で勢いよくける
  4. 歩幅は身長の半分より、やや小さめを目安にする。

以上のポイントをつかんだら、今度は、脈拍を目安にして歩きます。脈拍は、次の式で求めることができます。
50% 強度の脈拍= (最高脈拍-安静脈拍) ×0.5+安静脈拍

最高脈拍は(220-年齢) で求め、安静脈拍は実測します。このペースは簡単に見つかります。
まず、5分歩いたら立ち止まり、10秒間脈拍を計ります。
次に、その脈拍数を6倍します。その数が目標の脈拍数より多ければスピードを落とし、少なければ上げるようにします。夏場のウォーキングで大事なことは、水分を十分摂ることです。出がけにコップ一杯の水を飲み、帰ったらまた一杯というふうに、こまめに水分を補給してください。
また、炎天下に歩くことは避けましょう。どうしても時間がとれなくて日差しのある日中に歩くときは、必ず帽子を着用してください。心臓病などで治療を受けている人は、主治医と相談してから歩き始めるようにします。

2週間の禁酒が脂肪値を半分に

酒量を減らすことで危険因子が減少

日本では、40代、50代の働きざかりの男性に、心筋梗塞や脳梗塞を起こす人が急増しています。発症年齢の低年齢化も深刻な問題になっています。日本人の3大死亡原因の2つを占めるこれらの病気の原因は、動脈硬化です。
この動脈硬化によって心臓の筋肉に血警供給する冠状動脈が詰まる病気が心筋梗塞、脳の血管が詰まって起こる病気が脳梗塞です。

動脈硬化は、血管の内壁にたまったコレステロールが原因で起こります。
高コレステロールになる重要な6つの原因を避ける習慣が大切です。

また、中性脂肪(体内の最もありふれたタイプの脂肪)については、まだ明らかにされていませんが、動脈硬化に関係があると考えられています。
エネルギー量を減らす工夫をすることも大切です。

内臓の周囲に脂肪がつく内臓脂肪の増加や、高血圧、軽い糖尿病がある人は、中性脂肪が動脈硬化を起こす可能性があります。ですから、血液中の中性脂防の数値を動脈硬化の指標と考えることができます。さて、コレステロールや中性脂肪と動脈硬化との関係、食生活や運動との関係を調べてみると、個人差が大きいことがわかります。
コレステロールや中性脂肪の数値が同じでも、動脈硬化がどんどん進む人と、それほど進まない人がいます。また、同じような食生活や運動をしていても、コレステロールや中性脂肪の程度には差が生じます。最近、明らかになったのは、食生活の乱れと運動不足に、アルコールの摂取が加わって、動脈硬化が進行する体質の人がいることです。

こうした体質の人は、40~50代の企業戦士に多く、適切な対策をとらないと、内臓脂肪の増加、高血圧、高脂血症、糖尿病が原因で動脈硬化がますます進行します。
そこにストレスや過労が加わって心筋梗塞や脳梗塞を引き起こすのです。

こういう人に有効な対策が、飲酒の上手な飲み方を習得することです。コレステロールの数値が高いというと、コレステロールを多く含む食品の摂取を控えるようにと、従来は、さかんにいわれてきましたが、酒の摂取をへらすほうが有効です。

多くの患者さんの中には、酒の量をへらすだけで、動脈硬化の危険因子である内臓肥満、高血圧、高脂血症、軽い糖尿病がすべて改善される人がたくさんいます。実際、こういう説明をしてもなかなか減らしたり、やめられないのがお酒ですが、酒量が多い人は、お酒をやめることでまだまだ改善の余地があるということです。

ほとんどの人は

酒を控えることががなぜ有効なのでしょうか。コレステロールを例にとって簡単に説明しましょう。コレステロールは肝臓で合成されますが、中性脂肪を50%含んだ状態で全身に運ばれます。その過程で、中性脂肪は分解され、エネルギー源として消費されます。ところが、アルコールの摂取が多く、体質的にアルコールの影響を受けやすい素因があると、中性脂肪の分解がうまくいかず、血液中にだぶついてしまうのです。

ビール大瓶1本は245kcl、日本酒一合は、290kcl、ウィスキーシングル1杯は80kcal、と、アルコールは、基本的に高カロリーです。また、アルコールは胃液の分泌をさかんにするので、食欲が増し、食べすぎを招きます。飲み会などでは普段食べる量よりたくさん食べてしまうのはこれが原因です。
しめのラーメンというのは命を削っている行為なのです。
しめのラーメンがやめられないのは脳が影響しているとも言われています。
ちょっと話がそれてしまいましたがアルコールの後のラーメンはしっかり自分でコントロールして今日からやめるべきでしょう。ついでにお酒を飲む前にはプレーンの水を飲むことがとても大切です。これはドロドロの血液を防ぐためです。「ビールを口にする前に水を飲むなんて!」と思ったあなたは是非、ビールを飲む前に水を飲んでください。お願いします。

適量のアルコールは善玉コレステロールをふやしますが、飲みすぎは、動脈硬化の危険を増大させる元なのです。酒の適量は、他人と比較できません。
ある人には日本酒二合が適量であっても、別の人には一合が適量というようにさまざまなのです。
そこで、自分の適量を知る必要があります。

効果的なのは、とにかく2週間禁酒してもらいます。そして、2週間後にコレステロールや中性脂肪の数値を調べます。すると、ほとんどがよくなります。
中には、2週間の禁酒でコレステロールや中性脂肪の数値が正常になる人もいます。食事制限によるダイエットでは、筋肉がへり、体重が落ちますが、酒をへらした場合には、体重はさほど変わらないのに、ウェストが確実に細くなり、ベルトの穴がて2個も余るようになります。このことは、内臓脂肪の減少を意味します。

このように症状が改善してくると、はじめ疑心暗鬼だった患者さんも禁酒のメリットを理解するようになります。
そして、さらに2週間の禁酒をすると、ほとんどの患者さんはコレステロールや中性脂肪の数値が正常になります。
その後は、禁酒を続けなくてもけっこうです。一定期間の禁酒によって、体がアルコールに弱くなるので、少量の酒で、心地よい酔いを感じることができます。

惰性で酒を飲むのをやめ、少量の酒を楽しめるようになればよいのです。まず、病院に行って空腹の状態で採血してみましょう。
そして、コレステロールや中性脂肪、血糖値、血圧などの数値をチェックしてください。2週間禁酒をして、また採血してもらい、効果を確かめてはどうでしょうか。

この禁酒の間にさらに禁煙も同時に実行すればさらにいいでしょう。

まずは、今日「ノンアルコール飲料」を購入しましょう。そしてお酒を断ちましょう。時間が経過するとせっかくの決心がいつの間にか揺らいでしまうのが人間ですから。強い血管にするためには強い意志が必要です。

女性の場合間食のお菓子をやめるだけで血中の脂肪値がさがる

お菓子、果物となどの糖分は吸収が早い

コレステロールは、成人病の元凶のようにいわれていますが、人間の体になくてはならない物質です。
コレストロールとはには、『人にとって欠かせない栄養素の脂質』と解説されています。

血液中のみでなく、脳や脊髄、筋肉、それに内臓など体のあらゆる部分、部位に含まれ、生命活動を維持しています。コレステロールの働きは、主に3つに分類されます。
「メタボ」などの表現が定着してしまい「コレステロール=悪」というイメージを持ってしまっている人も多いと思いますが、とても大事な役割を担っていることをまずは頭に入れておきましょう!とイメージと認識を変えることも知識として必要です。

ただし、コレステロールが過剰にふえると、血管の内壁に付着して動脈硬化の元になります。最近では「死の四重奏」ということがさかんにいわれます。これについては、

  1. 内臓にたまる脂肪、つまり内臓脂肪、あるいは上半身にたまる上半身脂肪の増加
  2. 高血圧
  3. 高脂血症、特にコレステロールと中性脂肪の増加
  4. 糖尿病

の4つの動脈硬化を招く危険因子です。
この4つの危険因子がそろうと、心筋梗塞(心臓の筋肉に血液を供給する冠状動脈が詰まる病気) や脳梗塞(脳の血管が詰まる脳卒中) が起こり、死を招く危険が飛躍的に高まるということがわかってきたのです。
このうち、内臓脂肪は、高血圧や高脂血症、糖尿病といったほかの危険因子の元になることから、重要視されています。
一般に、女性は、男性に比べて内臓脂肪が少ないのが特徴です。しかし、皮膚の下に脂肪がついて肥満しやすく、また、血液中のコレステロールや中性脂肪(体内の最もありふれたタイプの脂肪) が多い人も少なくありません。

女性の場合でも、血液中のコレステロールや中性脂肪が多い人は、内臓に脂肪がたまっていることが考えられますから、要注意です。
女性の食生活の特徴は、間食でお菓子や果物の摂取が多いことです。特に、肥満を気にしている人は、ごはんをへらし、その代わりお菓子や果物をふやす傾向がありますが、これでは本末転倒です。
本人はごはんをへらすことでカロリーを制限しているつもりでも、お菓子に含まれる砂糖や果物に含まれる糖分(果糖) が肥満を増長してしまうのです。
ここでいうお菓子は、ケーキやまんじゅうなど見るからに甘いものに限りません。クッキー、菓子パンなども含みます。
人間は、血液中の糖分を体のエネルギー源として使っています。ごはんやパン、砂糖、果糖などは口から入って腸に移動するうちに吸収されやすい形に変えられます。
そして腸から吸収されて血液中の糖分になります。お菓子に多く含まれている砂糖は、ごはんやパンに比べて吸収が速く、食べすぎると血液中の糖分が一気に増加してしまいます。
すると、膵臓からインスリンというホルモンが大量に分泌されます。インスリンが大量すいぞうに分泌されると、脂肪が体にたまりやすくなり、血雫にコレステロールや中性脂肪がたまり、動脈硬化が促進されます。
果物も同じです。果物には、ビタミンやミネラルが多く含まれています。また、食物繊維も多く、便秘の解消にいいということから女性に好まれますが、食べすぎると要注意です。
果物に含まれている糖分も砂糖と同じように吸収が速く、コレステロールや中性脂肪の過剰な蓄積を招くためです。

食べる回数と量を半分に減らすことで摂取カロリーを一気に半分以下に

お菓子、果物を食留場合に最もよくないのは、夕食後に食べることです。昼間は体を動かす機会が多く、エネルギーを消費するので、お菓子や果物を食べてもインスリンの分泌はそれほどふえません。
しかし、夕食後は寝るだけで、エネルギーを消費することがないため、血液中の糖分が消費されにくく、蓄積してしまいます。その結果、高脂血症になりがちです。もちろん、お菓子や果物の食べすぎでコレステロールや中性脂肪の値が高くなるのは女性に限らず、男性にも当てはまります。

間食は、習慣化してしまうとタバコやお酒のように減らしたり、やめたりすることが意外に大変です。意識して量を減らしたり、回数を減らすことでくせになってしまった習慣をあらためることが出来ます。

また、注意しなければならないのは、女性の場合、閉経後にコレステロールが急にふえる傾向がみられることです。これは閉経に伴ってエストロゲンという女性ホルモンが減少するためだといわれています。
閉経後に運動不足になり、あるいは甘いものを食べすぎたりすると、さらにコレステロールがふえるため、特に気をつけなければなりません。
そこで節制が必要になるわけです。砂糖は少なければ少ないほどいいので、お菓子を食べるのを控えるのは当然です。
料理に使う砂糖の量も減らし、紅茶やコーヒーは砂糖抜きで飲むようにしたいものです。また、糖分の多く含まれている清涼飲料水はなるべく飲まないようにしましょう。
果物は、1日の量としてバナナなら一本、リンゴなら半分から3分の2、ミカンなら小さいので2~3個くらいが限度です。それ以外は食べないようにしてください。実行しやすく、しかも効果的な方法は、食べる量と食べる回数を、それまでの半分にすることです。たとえば、お菓子を毎日食べている場合は過3~4四日にへらします。1日に4つ食べている場合は2つにするというようにしてみましょう。
すると、合計で摂取量を4分の1にへらすことができます。糖尿病の患者さんに対して、私は、お菓子を食べるのを1週間で1~2回におさえ、食ベるのを少なくしてその分のカロリーをごはんから差し引くように指導しています。
この方法は、肥満ぎみで、コレステロールや中性脂肪の多い体質の女性には高い効果があるので、ぜひ試してみてください。
お菓子や果物を食べるのをへらせば、コレステロールも中性脂肪も通常なら1~2ヶ月で正常値に戻すことができます。
また、肥満も解消することができます。大切なのは、あせらないで取り組むことです。

コレステロールの酸化が動脈硬化の原因に

酸化が動脈硬化の元凶

ゴマは、ビタミンやミネラル豊富で、古くから老化防止や滋養強壮に効果を現す優れた食品とされてきました。
現在では、細胞などの老化を防ぐ抗酸化物質(酸化をおさえる物質) を含んでいることが明らかになり、動脈硬化をはじめ成人病(生活習慣病) を防ぐ食品として注目されています。さて、その動脈硬化の元凶は、長い間、コレステロールであるといわれてきました。
でも、コレステロール自体は、細胞膜の材料になったり、ホルモンをつくったり、脂肪の消化吸収を助けたりするのに欠かせない必須物質です。コレステロールには善玉コレステロールと呼ばれるHDLと、悪玉コレステロールと呼ばれるLDLがあり、LDLが血液中にふえすぎると、血管壁に付着して動脈硬化を促進させる、というのが従来の考えです。
たしかに、LDL コレステロールが増加することは動脈硬化の進行と関係がありますが、最近では、活性酸素と動脈硬化の関係のほうが大きな問題だ、と考えられるようになってきました。
活性酸素は、ガンや糖尿病、ボケなどさまざまな病気との関係がとりざたされています。この活性酸素によってLDLコレステロールが酸化されると、「変性LDL」という極めて有害な物質が生まれます。変性LDL は、マクロファージ(免疫細胞) によって退治されますが、ふえすぎるとマクロファージの処理能力を超え、やがて血管壁に蓄積され、動脈硬化を招いてしまうのです。
そこで動脈硬化を予防するには、活性酸素によるLDL コレステロールの酸化を防がなければなりません。そこで役立つのがゴマの抗酸化作用なのです。

ゴマの抗酸化作用は薬の成分より強い

ゴマに多く含まれるビタミンE はガンマトコフェロールと呼ばれ、大豆やトウモロコシなどに含まれるアルファトコフェロールよりも強力な抗酸化作用があります。ゴマの抗酸化作用は、ビタミンE だけではありません。
ゴマ油に大量に含まれているセサミノールという物質に、ビタミンEよりも強力な抗酸化作用があることを実験で確認しました。
実験ではセサミノールの抗酸化作用は、アルファトコフェロールや高脂血症の治療薬に使われるプロブコロールより、10倍も強力だということがわかりました。
セサミノールは、ゴマに含まれるセサモリンという物質からゴマ油の精製過程で作られ、ガンマトコフェロールの4倍以上も多く含まれています。

最近、ゴマに含まれるセサミノール配糖体(セサミノールに糖がついた物質) が腸内にすむ細菌の作用でセサミノールに変化することが明らかになったからです。セサミノールはゴマ油からも、むきゴマやすりゴマからも、摂取できることがわかりました。

では、ゴマをどのくらい食べればいいのでしょうか。1日1回は食べるようにしたいものです。量は、5~10gが目安です。食用ゴマ油を使う場合は、ほかの食用油と混ぜて使ってもかまいません。
ただし、少なくとも3分の1は食用ゴマ油を入れるようにしてください。なお、ゴマにはさまざまな種類がありますが、特に黒ゴマが抗酸化作用に優れています。これは、黒い色素成分に関係があるのではないか、と考えられています。

乳酸菌がコレステロールを排出

ガン予防に役立つ善玉菌の乳酸菌

ロシアの生物学者メチニコフが「乳酸菌には不老長寿の作用がある」と報告しました。科学的根拠には乏しい報告でしたが、これをきっかけに世界中の科学者が乳酸菌に注目、さまざまな研究がなされてきました。
現在、科学的に解明されている乳酸菌の働きは、整腸作用です。「人の健康はおなかにとって有益な働きをこのような菌をもっているかで決まる」といわれるように、乳酸菌をはじめとして、体にって有益な働きをする菌を腸内に保持していることは、健康でいるためには重要なことです。
最近では特に、便秘解消のキーワードとして乳酸菌が紹介されている情報も溢れるほどあります。

乳酸菌は、腸内で食物の消化吸収を助けたり、ビタミンを合成したり、あるいは病気に対する抵抗力をつけたりといった働きをしながら、腸内の環境を整えています。つまり、乳酸菌は体に有益な働きをしてくれる善玉菌(有益菌) の代表といえるでしょう。

しかし加齢に伴って、体にとって好ましくない働きをする悪玉菌(有害菌)がふえ始めて、腸内細菌のバランスが崩れ、健康によい働きをする乳酸菌の割合がへってきます。すると腸に有害菌が付着し、さまざまな病気の原因となってしまうのです。

そこで、食品から乳酸菌を補充して、整腸作用を損わないように気をつけることが大切です。また、免疫力(病気などに対する抵抗力) の向1やガンの予防に乳酸菌が役立つことわかっています。
免疫力の向上には、乳酸菌の死んだ菌体も腸の特殊な細胞に作用することによって起こることが解明されています。
また、ガンの予防については、大きく2つの理由が考えられます。
乳酸菌には体内に取り入れられた発ガン性物質を無毒化する働きがあることです。そして、もうひとつは、腫瘍をできにくくするのです。ガン細胞をわざと植えつけたラット(実験用のネズミ) に乳酸菌を食べさせたところ、腫瘍の増殖が抑制されたという報告がなされています。

腸には1100兆個もの腸内細菌が存在し替玉薗の乳酸菌を増やす プロテサン S 濃縮乳酸菌

コレステロール排出作用

そして最近になって、「乳酸菌には血液中のコレステロール濃度をコントロールする作用があるのではないか」と、世界中の乳酸菌研究者の関心を集めています。
つまり、「乳酸菌がおなかの中の余分なコレステロールを分解して体外に排泄し、結果として血液中のコレステロール濃度をおさえるのではないか」ということです。
これについては、数多くの研究結果が報告されています。

ある一定の条件に基づいて試験管にコレステロールと乳酸菌をいっしょに入れたところ、コレステロールが分解されたとする報告があります。また、高コレステロールのエサだけを食べさせたラットの血中コレステロールと、高コレステロールのエサに発酵乳(牛乳などに乳酸菌を加えて発酵させたもの) を加えたエサを食べさせたラットの血中コレステロールを比較した報告もあります。この報告では、高コレステロールのエサだけを食べたラットの血中コレステロールが上昇したのに対し、発酵乳も食べさせたラットの血中コレステロール濃度は標準を維持したとされています。

また、乳酸菌の菌体の表面には、コレステロールを付着する性質があることがわかりました。これは生きた乳酸菌ではもちろんのこと、死んだ乳酸菌についても同じことがいえます。コレステロールを付着した乳酸菌はそのまま体外に排出されるので、結果として体内からコレステロールが排出され、血中コレステロール濃度が低下することになるのです。

ヨーグルトを続けるのがおすすめ

現時点では、乳酸菌には血中のコレステロール濃度をコントロールする作用があるのではないか」という説が確実に証明されたわけではありません。
しかし、数々の研究から、血中コレステロールを低減させるのに、乳酸菌の働きが十分期待できるということはいえそうです。

これから研究が進んでいけば、乳酸菌から血中コレステロール濃度を確実に下げる医薬品が生まれる可能性もあるでしょう。そのときまでは、食品から乳酸菌を摂取することになります。乳酸菌の入っている食べ物の代表といえばヨーグルトなどの発酵乳ですが、夏の暑い時期は製造後1週間以内のものを選ぶようにしましょう。

ただし、一点豪華主義といって、1つの食品ばかりを偏って食べていては百害あって一利なしです。
発酵乳が体によいからといって、極端な話、一日に1Lも摂取すると大量の糖分を摂ることになってしまいます。これでは、体にとって逆効果です。一度に大量に摂るよりも、適度な量を毎日続けることが大切です。毎日の栄養バランスのとれた食事とともに、1日200ml程度の発酵乳を毎日摂るようにすれば十分です。
5年、10年と続けていけば、この習慣がある人とない人とでは、大きな差が出てくるはずです。

ヨーグルトを毎日食べる(200gがベスト)

ビタミンCがコレステロールを下げる

ノーベル賞科学者が心血注いだビタミンC

ノーベル化学賞、ノーベル平和賞などを受賞したアメリカのライナス・ポーリング博士は、アインシュタインなどと並ぷ今世紀最大の科学者の一人です。
彼が最も熱心に研究していたものにビタミンC があります。特に、『ビタミンC とカゼ』『ビタミンC 健康法』という著書などは、世界中で翻訳されて、ビタミンC の重要性をアピールしました。多くの人がビタミンCの作用や効能につては詳しくなくてもある程度は聞いたことがあるはずです。

数あるビタミンC の有効性の中でも、コレステロール〜との関係については次のとおりです。正常な人の血液には、1dl中に 120~130mgのコレステロールが含まれています。これ以上のコレステロー〜が含まれていると、動脈硬化が進行して、心臓病、脳卒中などの血管の病気をひき起こしやすくなります。
しかし、コレステロール自体が悪いわけではありません。コレステロールには、善玉(HDL コレステロール) と悪玉(LDLコレステロール)があります。人間の体には、どちらも必要不可欠なもので、妄一定のバランスがとれていれば、間違いなく健康でいられるわけです。ただし、善玉は多いほうがよいのですが、璽悪玉が多くなったときには、動脈硬化が起こりやすくなるのです。

悪玉を減らし善玉を増やす

血液中の総コレステロール値(善玉と悪玉を会わせて数値)が250mg/dl以上の人にビタミンCを長期間摂取してもらい、血液中の悪玉コレステロール値の変動をみた実験があります。
ビタミンC量とは、1日に摂取した量ですが、明らかに摂取量が多いほど悪玉コレステロール値はよく下がります。
ところが、悪玉コレステロール値が正常範囲の人は、いくらビタミンCを摂取しても、その値はほとんど変わりません。
つまり、ビタミンC は、悪玉コレステロールを消滅させるわけではなく、正常範囲に戻す働きがあるのです。
次に、ビタミンC を長期間摂取したら、善玉コレステロールが増加したという実験結果についてです。
なぜこうなるのかということは今のところ不明ですが、明らかに善玉コレステロールはふえています。
ビタミンC を長期間摂取すると、中性脂肪(体内の最もありふれたタイプの脂肪) の値が下がることもわかりました。
悪玉コレステロール値が高い人は、中性脂肪値も高いことが多く、両者は密接な関係があります。以上のことをまとめますと、ビタミンC は、

  1. 悪玉コレステロールを減らす
  2. 多いはうがよい善玉コレステロールはむしろふやす
  3. 中性脂肪はへらす

ということがいえます。その結果、動脈硬化の進行は抑制できます。さらに、血栓(血の塊) ができるのを防ぐ働きもあります。つまり、ビタミンC は、強くてしなやかな血管を作り、それを維持するのです。

1日1~3gを食後すぐに飲む

しかもここで強調したいのは、これらの実験結果は、動物実験を対象にしたものではなく、すべて人間を対象にしたものだということです。
実験に使ったビタミンC は、化学合成された錠剤ではありますが、野菜や果物に含まれているものと同質のもので、安全性が確かめられているからできることなのです。
しかし、肝心なことは、1日や2日飲んだだけでは効果がありません。実際に行った実験の数値は、すべて数週間から数ヶ月錠剤で飲み続けています。
コレステロール値は常に正常範囲です。そして、一度もカゼをひいたことがありません。飲み方は、朝・昼・晩の食事の直後に1gずつ飲むやり方です。
これは、食事のすぐ後に摂ると、吸収量がいちばん多いからです。健康診断で、悪玉コレステロールが高く、善玉コレステロー〜が低い、中性脂肪が高いと診断されたかたは、1日に1~3gほどのビタミンC の錠剤を飲むことをお勧めします。
毎日欠かさずに摂取すれば、個人差はありますが、徐々に効果が現れてきます。ですから、あせらずに数週間から数ヶ月飲み続けてください。
ビタミンC を野菜や果物などから摂ることは基本ですが、せいぜい100~150mgしか摂雫きないのが現状です。積極的に錠剤で補うようにしてください。

ビタミンCの働きと作用についてはこちらのサイトに詳細に書かれています。

悪玉コレステロールを減らし、善玉は減らさないオリーブオイルの効果

北欧より南欧の方が心臓病患者は少ない

今、医師や栄養士などの専門家たちの間でかなり注目を集めている植物油をご存じですか。それはオリーブ油です。
最近のワインブームやイタリア料理のおかげで、消費量がいちだんと伸びている植物油です。南欧料理(地中海料理)には欠かせない素材です。

オリーブ油は、動脈硬化の予防・改善に極めて高い効果が確認されています。
糖尿病にも有効で糖尿病には、オリーブ油入りの野菜ミックスジュースが効果的であるとされています。

事実、料理にたっぶりとオリーブ油を使う南欧の人たちは、動物性脂肪をたっぷり使い動脈硬化が原因で起こる心臓病が少ない、という調査結果があります。

動物性脂肪は、肉の脂身やラード、バターやチーズなどの乳製品に多く、常温では固まる性質があります。
これは「飽和脂肪酸」をかなり多く含んでいるからです。飽和脂肪酸は、総コレステロール値(善玉コレステロールと悪玉コレステロールを合わせた数値)と中性脂肪(体内の皮下脂肪などの最もありふれたタイプの脂肪) の値を上昇させる働きをします。
摂りすぎると、悪い方に作用してしまいます。
現代人は、こうした体にあまりよくない油をたくさんn摂取している傾向ですので注意が必要です。

一方、オリーブ油などの植物性油脂は、常温では液体になる性質がある「不飽和脂肪酸」を多く含んでいます。この不飽和脂肪酸が、総コレステロール値を下げて、中性脂肪をふやさない働きをするのです。
ただし、植物性油脂でも飽和脂肪酸が多く含まれているものがあります。お菓子やアイスクリームに使われているヤシ油とパーム油です。
これらはコレステロールをふやす強い力があります。ですから、コレステロールが気になる人は、植物性油脂のアイスクリームだからといって食べるのはおすすめできません。

悪玉コレステロールはへらすが善玉コレステロールは減らさない

ヤシ油とパーム油は例外ですが、ほとんどの植物性油脂の成分は、不飽和脂肪酸である「リノール酸」と「オレイン酸」とで80%以上を占めています。ところが、似たように思われるこの二つの不飽和脂肪酸には、大きな違いがあるのです。
植物性油脂に多い不飽和脂肪酸は、「オレイン酸」と「リノール酸」に分けられますが、この表はその割合を示したものです。表を見ると、オリーブ油はオレイン酸が極端に多く、リノール酸は少ないことがわかります。
一方、紅花油はリノール酸のほうが極端に多くて、オレイン酸が少なくなっています。オレイン酸とリノール酸は、どちらも悪玉コレステロール(動脈硬化を進行させる) をへらす作用が強力です。
しかし、リノール酸は多く摂りすぎると、善玉コレステロール(動脈硬化を抑制する) をもへらしてしまう弊害が起こるのです。
一方、オレイン酸は、多く摂りすぎても善玉コレステロールをへらすことがありません。最近の報告によれば、むしろ善玉コレステロールをふやす傾向にあるということがいわれています。
したがって、悪玉コレステロールをへらし、善玉コレステロールはへらさずに総コレステロール値を下げるには、できるだけオレイン酸の割合が高い油がよいわけです。その点、オリーブ油は、オレイン酸が70%以上も含まれていますので、動脈硬化の予防・改善には最適な植物油であるといえます。
サラダなどには生でかけて食べればより効果的です。

1:1.5の比率で摂取するのがベター

オレイン酸の豊富なオリーブ油がいくらよいといっても、必要以上に大量に摂ることはお勧めできません。
何事もそうですが、バランスが大切です。
どの料理にもオリーブ油をふんだんに使えば、肥満になり逆効果になります。ほどほどに、1日1~2品目に使う程度でよいと思います。リノール酸は分を悪く説明しましたが、これは必須脂肪酸といって、人間の体を維持するにはなくてはならないものです。
しかも、体の中で作ることができず、必ず食品から摂らなければならないものです。また、肉や乳製品に多い飽和脂肪酸も一定量は必要なものです。ですから、バランスよく、すべての脂肪酸を摂るのがよいでしょう。
それには、飽和脂肪酸を1とした場合、リノール酸も1、オレイン酸は1.5 という比率で摂ることを目安としてください。

大豆成分がコレステロール値を下げる

女性ホルモン様

最近、日本食こそ健康食、長寿食であると世界的に注目されていますが、その代表的な食品の一つが大豆です。
その大豆に、ココレステロール値が上昇しないようにする作用があることがわかってきました。
これは、大豆には、女性ホルモンによく似た「イソフラボン」という物質が含まれているためです。では、女性ホルモンによく似たイソフラボンが、なぜコレステロール値を安定させるのかです。
口から入り腸から吸収された栄養は、必ず一度肝臓に入り、それから血液中に入って体のすみずみにまで行き渡り、そこで使われるしくみになっています。
肝臓に蓄えられていた中性脂肪(体内の最もありふれたタイプの脂肪) もまた、血液の中を流れて、体のすみずみでエネルギーとして使われます。
ただし、中性脂肪は、栄養が不足している体の組織にとってはなくてはならないものなのですが、すでに体の組織に十分な栄養が行き届いていれば、不用品です。
それどころか、体の組織に取り込まれず血液中に余った中性脂肪は、「厄介者」の悪玉コレステロールとなってしまいます。そして、この悪玉コレステロールが、動脈硬化などの原因となるのです。
そこで、普通、血液中に余った中性脂肪は、すみやかに再び肝臓に吸収されます。そして、その際に不可欠なのが、女性ホルモンなのです。男性と女性の心筋梗塞になりやすい比率は六対一ですが、これは女性には女性ホルモンが豊富だからなのです。ですから、女性も閉経後は、女性ホルモンが減少するにつれて、動脈硬化症となる割合が増加します。大豆に含まれるイソフラボンは、女性ホルモンと似た働きをするので、コレステロール値の安定に役立つのです。
その効果は女性ホルモンには及ばないのですが、実験用のネズミにイソフラボンを使った実験では、コレステロール値が下がったという報告があります。自然界には大豆に含まれるイソフラボンのほかにも、高麗人参などにも、女性ホルモンと似た働きをする物質が存在することが知られています。しかし、日常的な食品では大豆だけに含まれるのがイソフラボンなのです。

熱にも強くどんな料理法も大丈夫

では、コレステロール値が高めで不安がある人は、大豆を1日にどれくらい食べたらいいのでしょう。大豆はあくまでも食品ですから、大豆ばかりを食べるのはよくありません。日常の食事の中で、ごく自然に食べていればそれで十分です。あえていうなら、大豆に含まれるイソフラボンは体内での利用と排出が速く、食べてから7~8時間で体外に流れてしまいますから、毎日毎食、みそ・豆腐・納豆・煮豆など、さまざまな形で大豆食品を食べるといいでしょう。
鬼打ち豆などは大豆そのものですから、酒のつまみにも最適です。また、イソフラボンは熱に強く、食べ合わせで効力が増減するといったこともないので、どんな調理法でもかまいません。若い世代の大豆食品の摂取量は、年々、減少の傾向にありますが、毎日の食卓にぜひ取り入れてほしいものです。

他に大豆イソフラボンの効能として更年期障害の予防・改善もあります。

牛乳はコレステロールを下げる作用がある。

マサイ族には心臓病がほとんどいない

牛乳を飲むとコレステロール値が高くなるから飲まない、というのを時々聞きますがが、これは誤った考えです
。牛乳1一本( 200cc) の中には大さじ一杯分の動物性脂肪が入っています。この動物性脂肪に多く含まれている飽和脂肪酸という脂肪成分がコレステロール値を上げる、と欧米でいわれたのが、牛乳を飲むとコレステロール値が上がるという誤解が生まれたきっかけでした。
しかし、当時はしっかりしたデータに基づいて牛乳とコレステロールの関係が研究されたわけではありません。
単なる推測にすぎなかったのです。そして、この推測は日本にも入ってきましたから、まことしやかに伝えられてしまったのです。
では、実際のところはどうかといえば、牛乳を飲んでもコレステロール値は上がらないのです。むしろ下がるという報告があるくらいなのです。その注目すべき報告は、東アフリカのマサイ族の食生活を調べてわかりました。
マサイ族はヒツジやヤギの肉、トウモロコシのお粥、野生の果実のほかに4~5L 牛乳を飲んでいます。
ところが、総コレステロール値は低く、虚血製臓病(心臓に栄養を送る太い動脈が狭まったり詰まったりして起こる病気) にかかる人はほとんど見当たらなかったのです。
また、同様の報告はアメリカにもあります。1日2Lの 牛乳を2週間飲み続けたところ、総コレステロール値が平均で… 20~30mg/dlだ下がったことが示されています。日本国内でも馬県内の人たちを対象に、牛乳を飲んだらコレステロール値がどう変化するかを調べたことがあります。
その結果、牛乳を飲むと、低コレステロール血症( コレステロールが少なすぎる状態)の40~60代の男性では、牛乳の摂取量とコレステロール値との間に関連性は見られませんでした。

食物絶維の摂取が大切

牛乳を飲んでコレステロール値が下がったというマサイ族やアメリカ人の例が日本人にも当てはまるかどうかはわかりませんが、同じような効果が得られる可能性はあります。
ただし、私は、牛乳だけでコレステロール値を下げようとするのは少し無理があるかもしれません。
なぜならば、日本人の場合、コレステロール値が高いのは、食物繊維の不足が原因になっていることが多いからです。コレステロール値を下げるのが目的なら、食物繊維を多めに摂ることを、お勧めしたいのです。
食物繊維には、水に溶ける水溶性のものと水に溶けない不溶性のものがあります。水溶性の食物繊維にはインゲン豆・ソラ豆・ニンジン、果物類に含まれるペクチン、コンニャクイモに含まれるマンナン、海藻に含まれるアルギン酸などがあります。これらの食物繊維は、糖の吸収をおさえて肝臓での中性脂肪(人間の体内では最もありふれたタイプの脂肪) の合成を低下させる働きがあります。
アルギン酸にはコレステロールを体外に排出する作用、マンナンやペクチンにはコレステロールの腸からの吸収をおさえる働きがあります。
一方、水に溶けない不溶性の食物繊維には、野菜や果物などに含まれるセルロースやゴボウに含まれるイヌリンなどがあります。
これらの食物繊維は、コレステロールそのものや、コレステロールから作られる胆汁酸を結合・吸着して体外に排泄する働きがあります。
ですから、これらの食物繊維をたくさん摂ると、コレステロール値が下がるのです。コレステロール値は、高くても低くてもよくありません。
高ければ動脈硬化の原因になりますが、コレステロールは血管や臓器の細胞膜の材料でもあるので、低すぎると血管がもろくなるなど、さまざまな障害が出てきます。ですから、コレステロール値の高い人は下げ、低い人は上げて正常値に保つことが大切なのです。
食物繊維をしっかり摂取した上で、ウォーキング(歩くこと) や水泳を行うと、さらに効果が期待できます。牛乳は、カルシウムの供給源として優れた食品ですので、大いに飲むべきでしょう。

1日に最低600mgのカルシウムを摂取しなければなりません。この数字は外国人の摂取量に比べてかなり低い数値ですが、それさえ満たせていないのが現実です。そこで、コップ1杯になる200ccの量でのカルシウム200mgが含まれ、腸からの吸収率が抜群にいい牛乳の摂取をお勧めするのです。最低でも1日1杯を飲むように習慣づけるといいでしょう。
中には
1杯飲むのがやっと、という人もいるでしょう。そんな人は、牛乳を料理に使ってみてください。たとえば、シチューとかグラタンなどを食べる機会を多くします。そうすると牛乳の摂取量が自然と多くなります。アメリカ人はかなりの牛乳を消費しますが、牛乳を飲むだけでなく、料理にもさかんに使っているのです。

食物繊維摂取が基本ですが、難しい人は、イサゴールなどを活用するのひとつの方法です。