カテゴリー別アーカイブ: 血圧を下げる

坂ののぼりおりが血圧を下げる

脚を動かさないと高血圧になる

神社に願をかけるために、毎日石段を1 り下りし、お百度参りを続けているうちに、病気が治ったという話を耳にすることがあります。
願いがかなって喜ばしいかぎりですが、実はこれには医学的な根拠があるのです。1脚は第二の心臓」という言葉をご存じのかたも多いでしょう。心臓から動脈を通って送り出された血液は、体のすみずみをめぐつた末に静脈を通って再び心臓に戻ってきます。
しかし、心臓から最も離れた位置にある足は、地球の重力の影響で血液が心臓へ戻りにくい環境にあります。また、たしかに心臓は血液循環の原動力となっているのですが、足先の毛細血管から血液を引き戻す力はありません。
そこで、脚の筋肉を動かすことが必要なのです。脚には、全身の筋肉の約3分の2が集まっているといわれています。
この脚の筋肉をよく動かすことによって、筋肉の中を通っている静脈は圧迫されて収縮し、血液はスムーズに先へ先へと流れます。つまり、脚から心臓への血液の戻りをよくすることによって、全身の血仙准循環がよくなるのです。このように脚の筋肉にも全身の血液循環を高める働きがある.ので、「脚は第二の心臓」といわれているのです。しかし、私たち現代人は脚の筋肉を使わないことが多くなっています。すると脚を含めた下半身の血液循環が悪くなり、それだけ上半身の血液がふえています。
すると、頭は充血し、のぼせやイライラが起こってくるのです。こうした状態が続くと、高血圧になってしまいます。もともと高血圧ぎみの人は、さらに血圧が上昇してしまうのです。

神社仏閣の参詣は血液循環をよくする

脚を動かさないために高血圧になってしまうことを避けるためには、もちろん脚の筋肉を活発に動かすことが重要です。
誰にでもいちばん手っ取りばやい方法は、歩くことだといえるでしょう。まずは背筋を伸ばし、胸を張って大股で歩きましょう。歩幅の目安は、自分の身長の二分の一程度。腕を大きく振ると自然と歩幅が広がってくることを自覚できるはずです。また、後ろ足で地面をけり出すときに、ふくらはぎを伸ばすことを第一に考えるようにしましょう。そうすれば、先ほどお話しした全身の血液循環をよくするのに効果的です。歩くときの心拍数は1分間に100回程度がベストです。多くても、220から自分の年齢を引いて、それを0.75倍した数の心拍数を超えないようにします。ふだんよりこころもち早足で、会話をしながらでも歩ける速さを目安に歩けばいいでしょう。こうして連続して30分ほど歩くと、うっすらと汗ばんでくるはずです。このとき脚が血液を体中にめぐらせるポンプの働きをしてくれているのです。また、神社や仏閣を歩くコースに取り入れると、高血圧を解消する効果は数段上がります。多くの神社仏閣は小高い丘の上にあり、たいていは石段がつきものです。こうした坂や石段を上り下りすると、平地を歩いているときよりも脚の筋肉は強く鍛えられることになります。脚の筋肉の伸び縮みがくり返され、全身の血液循環が促されて高血圧の解消にいっそう効果的なのです。
坂道や丘を上るときには自然とつま先が上がり、ふくらはぎが十分に伸びます。また、石段を上り下りするときは、自然と足首を伸ばしたり曲げたりしているはずです。足首を伸ばした状態ではつま先に体重がかかり、ふくらはぎの筋肉が縮んでいます。反対に、足首を曲げた状態では、かかとが地面に着き、つま先は上がり、ふくらはぎの筋肉が伸びています。こうした脚の筋肉の収縮や弛緩によって血管が圧迫されたり広がったりして、血液は心臓に戻りやすくなるのです。

坂や階段を上り下りすることによって全身の血液循環がよくなり、お百度を踏むことによって足の裏のツボを刺激する。冒頭に述べたような神社仏閣への参詣、お百度参りによって病気が治る例があるというのは、これらの相乗効果によるのではないかと推測できます。毎日、神社仏閣へ参詣するのは難しいかもしれませんが、坂道や階段などの場所を見つけて歩いてみるのはいかがでしょうか。

腹式呼吸が血圧を安定させ高い血圧を下げる

興奮、緊張は血圧を上げる要因になる

血圧を上げる要因はさまざまですが、ストレスの影響も、そのうちの大きな原因のひとつです。
心身にストレスなどの刺激が加わると、交感神経(内臓などを支配し、血圧を高めるなど全身の活動力を高める神経) の緊張が起こります。
すると、腎臓の上にある副腎という器官からはアドレナリンというホルモンが、また、神経の末端からノルアドレナリンというホルモンが分泌されます。アドレナリンは心臓から全身へ送り出す血液量をふやして、血圧を上昇させます。一方のノルアドレナリンは、末梢の血管を収縮させて、血圧を上昇させます。興奮したり、緊張したりすると、血圧が上がるのは、このようなしくみによります。
交感神経の緊張を取り除くことができれば、おのずと血圧が下がっていくわけですが、ストレスの多大な現代社会では、それもそれほど簡単ではありません。
そこでお勧めしたいのが、おなかを膨らませながら鼻から息を吸い、へこませながらゆっくり鼻から息を吐き出す呼吸法である「腹式呼吸」です。
腹式呼吸を実践すると、交感神経の緊張が取り除かれるため、血圧の低下が見られます。実際、腹式呼吸をした後に、する前より10mmHGほど血圧が下がるのは、そんなに珍しいことではありません。
また、腹式呼吸を日ごろから習慣づけておけば、継続的に血圧が低めに安定してくる効果も見られます。

呼吸のしすぎはかえって血圧をあげてしまう

肺の周りには胸郭という厚い壁があります。この胸廓を広げることで、肺が膨らみ、空気が入ってきます。反対に胸郭が狭ぎると、それに押されて肺は縮み、中の空気が出ていきます。
これが呼吸です。胸郭は、、上のほうが肋骨と筋肉でヨロイのように囲まれています。これを動かすには、たくさんのエネルギーが必要です。一方、胸郭の下を支えている横隔膜は、やわらかく薄い筋肉の膜です。この横隔膜を下げることによって肺に空気が入り、上げることによって空気が押し出されます。これが腹式呼吸の原理です。
胸で息を吸う、すなわち胸郭を動かす胸式呼吸に比べ、腹式呼吸では呼吸のために費やすエネルギーがごく少なくてすみます。
つまり、低燃費で車を動かすのと同じように、効率のいい呼吸ができるのです。ところで、腹式呼吸を誤解している人は、とにかく呼吸を大きくたくさんやればいいと思って、深呼吸をむやみやたらにくり返すようなことがあります。
これは、かえってよくありません。呼吸しすぎると、血液中の酸素はふえますが、その一方で炭酸ガスが過剰に出てしまいます。
すると、血液がアルカリ性になって交感神経が緊張してしまうのです。その結果、呼吸困難や動悸、けいれんなどの症状が出ることさえあります。これを「過呼吸症候群」といいます。人間が1分間に必要とする呼吸の量を「分時換気量」と【いいますが、この量はだいたい7L前後と決まっています。
それより多すぎても、少なすぎてもいけないのです。普通の呼吸の場合、1回の換気量は450ml程度で、1分間に一5~6回の呼吸が必要です。これに対して、効率のいい腹式呼吸では、一回650~800mlの空気を取り入れることができます。ですから、その分、呼吸をゆっくりと行い、回数をへらしたほうがいいのです。1分間に10回以下、できれば5、6回までへらせるといいでしょう。

自然な呼吸が一番効果的

腹式呼吸では、体をリラックスさせ、おなかを膨らませながら、息を十分に吸い、そして、へこませながらゆっくり吐き出します。おなかを膨らませると自然に横隔膜が下がり、へこませると横隔膜が上がります。
息は、鼻から吸い、鼻から吐きます。吸ったときにちょっと息を止めると、肺のすみずみまで酸素を行き渡らせ、効率のよい呼吸ができます。注意したいのは、本人は腹式呼吸をやっているつもりなのに、実際は胸式呼吸になっている場合があることです。少し前かがみになるか、あおむけになって、おなかに手を当て、おなかの動きを確認しながらやるといいでしょう。
また、力まずに、あくまでも自然に呼吸します。ときどき、息を吐き出すときに、必要以上におなかに力が入ってしまっている人がいますが、これではかえって逆効果です。
理想的にはいつも腹式呼吸になるようトレーニングするのがよいのですが、最初からそうはいきません。
まずは思いついたとき、すぐに腹式呼吸に切り換えるように心がけてください。1日に10分、20分でも、毎日実践してほしいものです。腹式呼吸は、疲れもよくとれ、精神も安定しますし、人間の基本的な健康法ではすぐに実践できる方法でもあります。
腹式呼吸は、高血圧の改善においても少なからず有効です。もちろん、薬物療法や食生活の改善など、不可欠の要素がほかにもありますが、私たちが生まれたときから行ってきた、「呼吸」という自然の営みを見直してみることは、とても大事なことではないでしょうか。

手首を回しながら手を振る「手振りで気分が落ち着き血圧が下がる

左手は時計回り右手は反時計回り

手は、全身の臓器や器官と密接な関係があり、全身の状態は手に現れます。ですから、異常のある内臓や器官に対応する手の部位を刺激することで、間接的に全身の治療を行う治療法が数多く実践されているのです。
こうした手と全身の関係を利用した治療法の1つの例として、韓国で生まれた高麗手指鍼があります。
これは、手を全身の縮図とみなしてハリや灸を行うという治療法です。もう一つ、注目しているものが仙骨磁気療法です。
仙骨とは背骨(脊柱) の下部で、体の中心に位置しています。インドでは、ここにエネルギーがたまっていると考えられています。この仙骨に刺激を加え、体のゆがみを修正することで、全身の状態を整えていくのが仙骨磁気療法です。
この2つの治療法を組み合わせ、手を利用してもっと簡単に全身の治療ができる健康法はないかと考えました。そしてたどりついたのが、「手振り療法」です。
手を全身の縮図と考えた場合、中指が頭、親指と小指が両足、人差し指と薬指が両手、手のひらがおなかになります。そして、仙骨に相当するのが手首の甲側の真ん中にあるへこみです。
手振り療法は、この仙骨にあたる手首を回して、全身の生理機能を高めていくというものです。やり方は実に簡単で、左手を自分から見て時計回りに、右手をその反対(反時計回り)に回すだけです。
胸の前で、手についた水滴を払うように両手を下方に振ります。その勢いで、手が自然に戻ってくるような感じで上方に回してください。
両手をいっしょに回しても、交互に回してもかまいません。ただし、回転の方向を間違えると、体調を悪くすることがあるので注意してください。基本的に、座った状態で手を回すときは、両ひじを曲げて手を胸の前に出し、手に糸を巻くような要領でなめらかに回してください。
あおむけに寝た状態で行うならば、ひじを床に着けて、ひじから先、または手首から先を回すようにします。
いずれの方法にしても、手を回す目安としては、2~3秒で1回、回すペースで、最初は1日5分間続けるようにするとよいでしょう。
やり方はこれだけです。なによりも自分が気持ちいいと感じることを大切にしましょう。たとえば、自分がオーケストラの指揮者になった姿を思い浮かべてください。手が指揮棒であり、奏者は全身の臓器や器官です。指揮者の手によって、全身の臓器や器官のハーモニーが生まれるのです。

場所を問わずいつでもできる

手は全身を反映していますから、手首を回すことは全身運動をしたのと同じ意味があります。手振りを続けることで、全身の血液循環はスムーズになり、末梢の毛細血管のすみずみまで血液が行き渡るようになります。
ですから、血液循環のための心臓の負担は軽くなり、高血圧の改善に役立つのです。
また、気持ちを落ち着けて手振りのような単純な動作をくり返すことで、安らかな気分に浸ることができます。すると、体を休息状態に導く副交感神経が優位になって血管が拡張し、やはり血圧降下にいい影響があります。
高血圧のほかにも、血液循環の悪化によって生じるめまいや肩こり、腰痛、頭痛など、さまざまな症状に効果が期待できます。
今まで、多くの患者さんに手振りを勧めてきましたが、みなさん高かった血圧が下がった、よく眠れるようになった、気分がよくなったと、とても好評です。手振りはいつでもどこでも自分の手だけで簡単にできるのが最大の利点です。ふだんから手振りを習慣づけておけば、たとえ短い時間ずつであっても効果が期待できます。なにはともあれ、まずは試してみてはいかがでしょうか。

「睡眠中の呼吸停止」を防止する構向き寝の

睡眠中に複数回目が覚めてしまう

「睡眠時無呼吸症候群」という病気をご存じでしょうか。これは、文字どおり、睡眠中に何度も無呼吸の状態がくり返し起こる病気です。いびきをかく人は要注意です。
眠っている最中に、鼻からのどにかけての空気の通り道である「上気道」が狭くなり、なにかの拍子で完全に閉じてしまう病気です。専門的にいえば、上気通がふさがって10秒以上の無呼吸状態が一晩に30回以上あると、睡眠時無呼吸症候群だということになります。
睡眠時無呼吸症候群の人にみられる大きな特徴は、眠っているときに大きないびきをかくことです。そして、ガーガーといびきをかいていたかと思うと、突然ふっと呼吸が止まります。
ひどい人では、なんと90秒もの間、呼吸が止まっています。もちろん、無呼吸状態がずっと続けば、危険も生じます。
ですから、「いびき→呼吸の停止→ 呼吸の再開」といった状態が、一晩中くり返されるのです。
この呼吸の再開のために、実は脳が目覚めて覚醒状態になることが必要になります。しかししばらくすると、また眠り込むので無呼吸の状態になります。
そして、また脳が目覚めて覚醒状態になり、呼吸が再開されます。ですから、脳波上では浅い眠りと中途覚醒をくり返していることになり、一晩中深い睡眠をとれないのです。
その証明として、睡眠時無呼吸症候群の人がよく訴える症状で、「よく寝たはずなのに、昼間に眠くて眠くてしかたない」といったことがあります。しかし、睡眠時無呼吸の悪影響は、これだけではありません。血圧を上げる要因にまでなるのです。

睡眠時の無呼吸が血圧を上げる要因に

眠っているときに無呼吸状態になると、血圧を上げる2つの要因が発生します。
1つめは、低酸素状態が起こる点です。呼吸が止まるのですから、体内は低酸素状態になります。すると、ものすごいストレスが体中にかかり、血圧が上昇します。普通に息を数秒止めるだけでも血圧は上昇しますから、
一晩中無呼吸をくり返せば血圧が上がりやすいというのは、おわかりいただけると思います。
2つめの要因は、睡眠中に体を活動状態に導く交感神経が優位になってしまう点です。本来、睡眠中には、体を休息状態に導く副交感神経が優位な状態になっています。
副交感神経が優位ということは、心臓の働きも呼吸の働きもゆっくりとおさえられていることを意味します。
要するに、寝ることによって体の機能がおさえられて、私たちは休息をとっているわけです。ところが、睡眠中の無呼吸を解消するために脳が覚醒することで、交感神経が急激に克進します。そして、いきなり交感神経が優位な状態になってしまいます。すると、呼吸が再開されるものの、血圧が突然上がるのです。
つまり、まず低酸素状態によって上昇した血圧が、さらに脳の覚醒によって上昇することになります。これは眠っているときだけの話ではなく、昼間の血圧を上げる可能性も十分にあるのです。というのも、専門家の間では、睡眠時無呼吸症候群の人の昼間の高血圧の発生率は、30~70% だと考えられています。これは、普通の人と比べると、非常に多い数字です。
その一方で、高血圧患者の約9割を占めるといわれる本態性高血圧(はっきりとした原因がわからない高血圧) のうちの3割が、睡眠時の無呼吸を起こしているという報告がアメリカで出されています。こうしたことを考えると、睡眠中の無呼吸を解消するにこしたことはありません。

マスク療法が効果を発揮する

完全に無呼吸が起こらないようにするには、「シーパップ」という装置が最も有効です。シーパップの本体には長いホースがあり、そのホースの先に鼻に当てるマスクがついています。
そこから絶えず空気が出てきます。つまりこの鼻マスクをつけることで、鼻から絶えず空気を送り込み、上気道を広げるのです。
これで無呼吸状態が起こることはありません。この装置のメリットとして、むだな血圧の薬を飲む必要がなくなることもあげられます。というのも、この装置で睡眠時無呼吸症候群を治すと、高血圧も同時に改善しまう人が少なくないのです。

軽症の人には、まず、次の3つの生活習慣の改善をぜひしていただきたいと思います。

  1. 横を向いて寝る
  2. 肥満解消
  3. お酒、特に寝酒を控える

どうしても横向きに寝ることができない人は、「抱き枕」を使うと効果的です。

睡眠時無呼吸症候群は、寝ている間に鼻からのどにかけての上気通が狭くなり、閉じてしまう病気です。
人間は、あおむけに寝ると舌が後ろ側、つまりのどの方向に落ち込みます。そして、睡眠状態に入ると全身の筋肉が弛緩します。
当然、のどの周辺の筋肉も弛緩します。こうなると、上気道はかなり狭くなります。そこで横向きに寝るようにすれば、こうした状況を回避することができるのです。
さらに太っている人の場合、体の内部に脂肪がついているので、ふだんから上気道が狭くなっています。
ですから、肥満の解消も重要なことです。もちろん、太っている人のあおむけ寝は、さらに上気道を狭くさせますから避けましょう。
3つめの項目の酒は、アルコールがのどの筋肉を弛緩させて上気道を狭めることにつながります。ですから、特に寝酒は控えることをお勧めします。「ふだんはいびきをかくが無呼吸にまではならない」という人でも、お酒を飲むと間違いなく無呼吸が起こってしまいます。最後に、どうしても睡眠時無呼吸症候群が心配だというかたは、内科、特に呼吸器内科に診てもらうのがいいでしょう。

ごろ寝が血圧を下げる

傷ついた血管は睡眠中に修復

血圧とは、心臓から送り出された血液が血管内を流れるとき、血管壁を押し広げる圧力のことです。
この圧力が高いほど血管への負担は大きく、血管が傷みやすくなります。血管への負担が重なると、動脈硬化を招き、やがて心筋梗塞(心臓の血管が詰まって起こる心臓病) などの重大な病気になりかねません。
血圧は1日の中で刻々と変化しています。一般に血圧は、睡眠中が最も低く、朝から日中にかけて上昇します。
高血圧の養生法の一つとして、十分な睡眠をとることが勧められますが、これは、血圧が下がっている時間が長ければ長いほど、日中、高い血圧で傷んだ血管の修復ができるからなのです。
実際、睡眠時には血圧が大きく下がります。軽い高血圧の人なら、日中は血圧が高くても、睡眠時には健康な人と同じくらいになるほどです。
ただし、睡眠中でも血圧はやはり刻々と変動しています。騒音や電灯の光などの刺激があると、血圧は急上昇します。
静かな環境を保つ工夫をして、十分な睡眠をとるようにしなければいけません。血圧が気になる人は、この睡眠の効果を活用しない手はありません。
日中でも、体を横にして休む、つまり「ゴロ寝」をすることで、睡眠と同様の効果が得られます。
横になって休んでいると、心身がリラックスして、血圧はしだいに落ち着き、15分くらいでかなり下がり、30分もすると最も低い状態になります。最大血圧でだいたい一15~20mmHG、人によっては40mmHGも下がる場合もあります。しかも、ゴロ寝による降庄作用は、ふだんの血圧が高い人ほど大きいのです。高血圧の人は日中、できれば午前と午後の2回、30分ずつほどゴロ寝をしたいものです。仕事をしている人も、休み時間などを利用して、体を休める習慣が血圧を下げるきっかけになります。

なぜ、横になるだけで血圧が下がるか?

横になると、手足や内臓の無理な血管収縮がとれる

人間は重力の関係で、立ったままでいると血液が下半身にたまります。そこで、ある程度以上血液がたまらないように、そして大切な脳の血流がへらないように、手足や内臓の血管が収縮して、血液を心臓に押し返します。
これが血圧を上げているわけです。横になって休めば、手足や内臓の無理な血管収縮がなくなり、血圧が下がるのです。

横になると、腎臓を流れる血流量がふえ、血圧を強力に上げる物質であるレニンの活性が弱まる

腎臓に流れてくる血液量がへると、腎臓はレニンという物質を分泌し、その作用により血圧を上げて、腎臓の血流量をふやそうとします。しかし、横になると腎臓の血流量は自然にふえますから、レニンの活性が弱まって血圧は下がります。

リラックスすることで、交感神経の緊張がゆるみ、血圧を上げる作用のあるアドレナリンの分泌がおさえられる

自律神経(意志とは無関係に体の機能を調節する神経) の1つである交感神経が緊張すると、神経の末端からノルアドレナリンが放出され、また腎臓の上にある副腎という器官からアドレナリンが分泌されます。これらのホルモンは、血圧を上げます。横になってリラックスすることによって、交感神経の緊張がゆるみ、ノルアドレナリンやアドレナリン
の分泌がおさえられると血圧が下がるのです。

以上のような理由から、ゴロ寝をすることによって、血圧を下げ、傷んだ血管を修復することができるわけです。とはいえ、1一日中ごろごろしているのはよくありません。高血圧の改善のためには、適度な運動も欠かせません。ウォーキングや自転車こぎなどの運動は、血圧を下げる効果があることがわかっています。
医師に相談して、自分に合った運動を指導してもらい、生活に取り入れるようにしてほしいものです。
食事の面では、なんといっても減塩が高血圧療法の基本です。食塩は1日6g程度に制限するよう努めましょう。
タバコは論外です。アメリカでは高血圧療養の第一に禁煙があげられています。喫煙にょるニコチンや一酸化炭素は動脈硬化の進展に拍車をかけ、たとえ血圧を下げても功を奏さずに、心筋梗塞を起こす危険があります。お酒も、ストレス解消に役立つ面もあるとはいえ、暴飲は禁物。適量を楽しんで飲むことです。以上のことを、ゴロ寝とともに日常の習慣に加えるようにします。

胚芽米を水に浸けてから炊くと血圧を下げる「ギャバ」が摂取できる

50%の人の血圧が下がった

「数時間、水に浸けてから炊いた胚芽つきご飯」が、高血圧を非常によく改善することを発見しました。
胚芽とは、植物の種の中で、将来芽となって成長する部分です。この効果をもたらすのは、ギャバという物質です(ギャバとはアミノ酸の一種であるガンマアミノ酪酸= ガンマアミノビューティリクアシド。頭文字をつなげて、通称ギャバといいます)。胚芽米を水に浸けると、酸素欠乏の状況になり、胚芽米に含まれるグルタミン酸というアミノ酸の一種がギャバという物質に変化します。

高血圧の8割は本態性高血圧といって、原因不明のものになります。血圧降下剤も人によって合う合わないがあるため、いろいろ調べてその人に合うものを探さなければなりません。それなのに、ありふれた食品で5割の人の高血圧が改善されるとは、医学の世界でも驚異的です。

腎臓のろ過装置

ギャバがなぜ高い血圧を下げるかについては現在、研究中ですが、一つだけ確認されているのが、ギャバによる腎臓の活性化作用です。
動物の体は、血液中の塩分が一定以上になると生きていけなくなるため、不要な塩分はすみやかに排泄されるようにできています。ところが高血圧の場合、塩分を排泄する機能がうまくいかないことが多いのです。塩分を排泄する器官といえば、腎臓です。

過剰な塩分摂取によって死亡した高血圧ラッの腎臓を調べると、基底膜細胞(ろ過装置の役割をする細胞) が死滅と再生をくり返し、最終的には再生が追いつかなくなっていました。
基底膜細胞が死滅すると、体は排泄すべき塩分を再び回収してしまい、血液中の塩分は正常値を超え、血圧はさらに上昇します。ところが、ギャバを与えたラットの基底膜細胞は、死滅することなく、塩分をどんどん排泄し、血圧を正常に保っていたのです。
このほか、脳内にたくさん含まれているギャバは、神経の抑制伝達物質(たかぶりを止める物質) であることから、血圧のコントロールを行っているのではないかとも推測されています。
実際は、ギャバは単独で効果を上げるのではなく、ともに働く相乗効果成分があって効果を発揮しています。
現段階は、その相乗効果も追究しているところです。

では、血圧降下に効果を発揮するギャバご飯を炊く方法です。米の品種としては、ギャバが生成される割合が高い米を選びます。お勧めは「コシヒカリ」で、これを米屋さんに頼むか、家庭用精米機で、七分づきにします。市販の胚芽米の「朝日」や「アケボノ」も、コシヒカリと同程度のギャバを生成します。胚芽米の場合は、酸化が早いので、2週間ほどで食べきる量ずつ購入するようにします。次が大切なポイントで、米を研いだ後、できれば40度 くらいのぬるま湯で通常どおりに水加減して2時間浸けおいてから、浸けた水ごと炊きます。
こうして水に浸けおくことで、胚芽中のグルタミン酸がギャバに変化します。ギャバは、水に浸けた最初の1~2時間の間で急激に増加します。
水でもよいのですが、40度のぬるま湯が最も効率よく、多量のギャバを生成します。ただし、夏は浸けおき中に腐敗しないように気をつけてください。
ギャバの生成量は、水に浸けてから8時間ぐらいまでゆるやかに上昇するので、冬は寝る前に水に浸け、起きてから炊いてもよいでしょう。
これを日に1合、食べます。胚芽付きの米1合はちょうど、血圧降下を期待するのに必要な1日量のギヤバを6~10mgほど含んでいます。もし玄米がお好きなら、ギャバはヌカからも生成されるので、玄米はまさに好都合。
同様に浸けおいてから炊いてください。出来上がったギャバご飯は、冷蔵や冷凍をしても、炒めご飯にしても変化しないので、いつもどおりの保存や調理ができます。
ただし、高熱を使うオープンで料理すると壊れるので避けます。ギャバご飯は、低血圧の人にもよい効果が報告されていますから、家族全員で安心して、同じご飯を召し上がってください。また、ギャバは水溶性で不要分は排泄されてしまうため、副作用の心配もありません。

はまぐりやイカは血圧上昇を防ぐ

血圧を上げる物質の働きを抑制

人間の体の中には、腎臓を中心とした血圧調節のしくみが備わっています。腎臓は、血液中の不要なものは尿として排出する働きを担っています。
一方、必要なものは保存・再吸収して、血液を正常に保ちます。そしてこれと同時に、腎臓は血圧を調節する大切な働きもあります。
腎臓が血圧を調節するしくみは次のとおりです。
まず、肝臓で作られたある種のたんばく質が腎臓に送られると、腎臓にある酵素(生体内の化学変化を促進する物質) の作用を受けて、アンジオテンシンⅠという物質ができます。さらに、このアンジオテンシンⅠは、アンジオテンシンⅠを変換する酵素(略してACE)の作用で、アンジオテンシンⅡという物質になります。このアンジオテンシンⅢ が血液中に放出されると、血圧が上昇します。たとえば、体重50kgの人の場合、1μg( 10万分の1g) のアンジオテンシンⅡ によって、血圧は10mmHG上昇することが確認されています。
ですから、アンジオテンシンⅡは、非常に微量でも血圧を上げる物質なのです。
一方、肝臓から先ほどとは別のたんばく質が腎臓に送られると、腎臓にある酵素によって分解され、ブラジキニンという物質ができます。
このプラジキニンが血液中に放出されると、血圧が下がります。ただし、先ほど述べたアンジオテンシンⅠ を変換する酵素、ACEには、血圧を上げるァンジオテンシンⅡを作ると同時に、血圧を下げるブラジキニンを壊す働きもします。
つまりACEが活性化すると、血圧がよりいっそう上がってしまうわけです。
ですから、ACE の作用を阻害する物質は降圧剤になります。
実際、現在では、そうしたメカニズムの降圧剤が主流となっています。ところが、ACEの作用を阻害する降圧剤は、常に薬を服用しなければならないという弊害があります。また、その降圧剤を飲むのを止めると、さらに血圧が上がってしまう、いわゆるリバウンドが強く出てしまうのです。
そこで、ACEの作用を阻害する物質が食品中にないものかという点が注目されます。
ACE阻害物質を食品から摂ることができれば、リバウンドのない穏やかな作用によって、高血圧の予防や改善に役立つのではないかと関連づけました。
実験では、まず、ACE の構造が人間とよく似ているブタから大量のACEを取り出すことに成功しました。そして、このACEを使って、約700種類の食品のテストをしてみたのです。

昔からある食品が有効

実験の結果、実に多くの食品にACE阻害物質が含まれていることがわかりました。そして、これらの食品に共通していることは、日本人が昔から慣れ親しんできた食品で、「病気や老化の防止によい」とされてきたものはかりでした。つまり、民間伝承を科学的に立証した実験となったといえます。
さて、ACE の作用を阻害する成分は、食品によりそれぞれ違いはありますが、基本的にはポリフェノール類が効いていると思われます。
ポリフェノールとは、植物の中に含まれる糖分が変化してできた化合物で、実に数多くの種類があります。たとえば、お茶に多く含まれているカテキンという成分は、多くの人が耳にしたことのあるポリフェノールの名前でしょう。
また、最近健康にいい」と話題の赤ワインには、Ⅹ種類以上のポリフェノールが含まれています。そして、こうしたポリフェノールには、「抗酸化作用」が備わっています。抗酸化作用とは、体内の脂質を酸化させたりして老化や成人病の原因になるといわれる活性酸素の害をおさえる作用です。
なかでも、そばに含まれているポリフェノールのルチンは、一日に25~50mgを摂れば、血圧を安定させ、毛細血管を強くすることが確認されています。
そばには、1gに1mgのルチンが含まれています。ですから、1日50g のそば(1食分分)を食べれば、十分な量のルチンを補給できるわけです。
ルチンについては、こちらでも『毛細血管を強くするルチン』で紹介されています。

塩分・脂肪分の過剰摂取にも注意

高血圧を考えるとき、ここまでお話ししてきたことのほかに、塩分や脂肪分の過剰摂取を控える必要があります。ただし、ひとくちに塩分といっても、塩化ナトリウムと塩化カリウムがあり、血圧を上昇させるのは塩素とナトリウムからできている塩化ナトリウム、すなわち食塩のほうです。食塩を摂りすぎると血液中にナトリウムがふえます。
すると、それに伴って血液中の液体体成分である血症の畳もふえ、血液を循環させるための負担が増大し、血圧も上昇します。

また、食塩の過剰摂取は、体に備わっている血管を収縮させる反応性を高めてしまい、やはり高血圧につながります。ところが、塩素とカリウムからできている塩分の塩化カリウムは、血圧を下げる方向に働きます。
カリウムには、血圧を上昇させる余分なナトリウムを体外に排泄する作用があるからです。ですから、高血圧対策を考える際には、食塩を控えることはもちろん、カリウムを多く含む果物や緑黄色野菜を積極的に食べることも大切です。
脂肪分のほうは、血液の粘り気を増して心臓の負担となり、血圧を上げることにつながります。ですからやはり、ふだんの食事で脂肪分を控えることが大切です。
そのほか、脂肪を「溶かす」成分が含まれている食酢や梅干し、脂肪を「へらす」成分が含まれているキノコ類、余分な脂肪を「体外に排泄する」食物繊維を多く含む野菜などを食べる習慣が重要です。

高血圧を引き起こす原因物質「ACE」の働きを抑制する食品

  • はまぐり
  • いか
  • そば
  • ワイン
  • ざくろの実
  • 梅干し
  • キウイ
  • ソラメマメ
  • 日本茶
  • 烏龍茶

高血圧患者の大多数に効果が期待できるカルシウム

動物実験でも効果が実証

「カルシウム=骨」が定番のカルシウムのイメージですが、カルシウムの働きは、骨を作るだけではありません。
最近の研究では、カルシウム不足が高血圧の一因となっていることや、逆にカルシウムを十分に摂取することが高血圧の予防や改善に有効であることがわかってきました。
ここでは、実際に行われた実験の結果を紹介しながら、高血圧に対するカルシウムの効果について、ごふれてみたいと思います。
実際に行われた実験では、自然発生高血圧ラット(遺伝的に必ず高血圧が起こる実験用自ネズミ) を使った実験です。この実験では、高血圧ラットを2つの群に分け、一方の群にはカルシウム入りのエサを、他方の群には一般のエサを与えて、血圧への影響を比較しました。その結果、一般のエサを食べ続けた高血圧ラットは、6週間目から少しずつ血圧が上がり始め、10週目あたりでは人間に置き換えると最大血圧300mmHg以上の数値となります。これに対して、カルシウム入りのエサを与えた高血圧ラットのほうは、6週間を過ぎても血圧の上昇がかなりおさえられました。この実験から、カルシウムは高血圧の予防や、改善に役立ちそうだという手応えをつかんだことから健康人への影響についてもリサーチしてみることになりました。

1日3本の牛乳が効果を発揮

まずは、看護学校の18歳から21歳までの女性131名を、

  1. 牛乳を1一日0~1本飲むグループ
  2. 1日1本(200cc) 飲むグループ
  3. 1日3本(600cc) 飲むグループ

の3つのグループに分け、10週間続けてカルシウムの豊富な牛乳を飲んでもらい、血
圧の変化を調査しました。

血圧の変化は最大血圧と最小血圧の両方を調べ、それぞれの血圧が高めの人、低めの人に区別して数値の変化を検討しました。
その結果、牛乳の摂取量によって血圧の変化に顕著な差が現れたのが、最大血圧が110mmHg以上だが高血圧ではない、いわば正常範囲内で高め」の人たちです。
最大血圧が110mmHg以上の人たちの場合、1 と2 のグループでは、血圧の変動はありませんでした。しかし、3 のグループでは、実験開始時の平均血圧が114mmHgだったのが、3~4週間目から徐々に下がり始め、10週間後には110mmHGまで低下しました。
最大血圧が110mmHG鞄未満の1正常範囲内で低め」の人たち、最小血圧が65mmHg以上だが高血圧ではない「正常範囲内で高め」の人たち、最小血圧が65mmHG地未満の「正常範囲内で低め」の人たちについては、いずれも牛乳の摂取量の多少にかかわらず、血圧の変動はありませんでした。
以上のことから、牛乳を.1日3本程度飲む、つまり十分な量のカルシウムを摂取すると、高めにある最大血圧は低下すると考えることができます。健康な若い人たちでこれだけの変化があったのですから、高血圧の患者さんでは、さらに確実な効果が期待できると私たちは推測しました。そこで、実際に高血圧の患者さんに継続的にカルシウム剤を飲んでもらい、個々の改善度を見ることにしました。
カルシウム剤だけを投与した例もあれば、降圧剤(血圧を下げる薬) とカルシウム剤を併用した例もありますが、いずれの場合も、投与し始めて1ヶ月目くらいで30% くらいの人に血圧の改善が見られました。
その後、改善率は徐々に上がり、6ヶ月目くらいで50~60% に達しました。これまでに250人以上の患者さんにカルシウム剤を飲んでもらっていますが、血圧がよくコントロールされ、そのうちの約50%は高血圧が改善されています。

高血圧予備軍はカルシウムで予防を

なぜカルシウム不足が高血圧を引き起こすのかということについても、だいたいわかってきました。
細胞には、常に一定の濃度のカルシウムが保たれています。この細胞内のカルシウムは、心臓や脳を動かすための情報伝達をする重要な役目をもっていて、私たちの生命を支えています。
ですから、食べ物から摂取するカルシウムが不足して、血液中のカルシウムの濃度が低下してくると、体は骨から不足分を補おうとします。ところが、骨からカルシウムが補われるとき、不足分の量だけが補われればいいのですが、そううまくいかないのです。必要としているよりはるかに多量のカルシウムが血液中に入り込み、腎臓などから排泄しきれない分は細胞内に入り込んだり、血管の壁に付着したりして、人体に悪影響を及ぼすのです。
血管壁を形づくっている平滑筋内に多量のカルシウムが入り込むと、平滑筋内が敏感になり、けいれんや収縮などの反応が起こります。
すると血流の抵抗が高くなり、血圧が上がるというしくみです。実際に、高血圧の患者さんの細胞内には、健常な人と比べて、多量にカルシウムが入り込んでいることが観察されました。
カルシウムは、いま日本人に最も不足している栄養素です。カルシウムを十分に摂取することは、高血圧の予防や改善のうえで非常に重要なことだといえるでしょう。すでに血圧降下剤を用いている重症の高血圧の場合は、カルシウムだけ摂っていればいいというわけにはいきませんが、カルシウムの摂取は、いろいろな面でプラスに働き、マイナスになることはほとんど考えられません。日常の食生活の中で、カルシウムを十分摂取するよう生活習慣を変えていくのが重要です。

椎茸のもどし汁が血圧を下げ安定させる

有効成分エリタデニン

シイタケには、血圧や血中のコレステロール値を低下させる働きがある「エリタデニン」という有効成分が含まれています。シイタケについてはこちら
このエリタデニンは、キノコの中でもシイタケに特に多い成分です。エリタデニンは水に溶けやすいので、干しシイタケを水に浸すことで、簡単に抽出できます。要するに干しシイタケの戻し汁ということですが、それが、ここでご紹介するシイタケエキスです。
これを飲むことによって、エリタデニンを体内に効率よく吸収することができ、高血圧や高コレステロールの改善や防止効果が期待できるのです。

シイタケエキスの作り方は、いたって簡単です。大きめの干しシイタケ1枚(小さいものなら2~3枚)をよく水洗いし、コップ1杯(約180cc)の水に漬けます。
これを冷蔵庫に一晩おいておくだけです。前日の晩に作り、翌朝飲むようにします。

作り置きはせずに、すぐに飲みきるようにするのがポイントです。作りおきしておくとせっかくの成分が酸化してしまうのですぐ飲むのが効果的です。
冷蔵庫に入れるのは、夏場などに雑菌が増殖するのを防ぐためです。また、シイタケは、独特の香りが強いので、冷やしたほうが飲みやすいはずです。戻したシイタケには、ビタミンDやビタミンE、食物繊維などが残っています。

残ったシイタケは、細かく刻んで料理に使ってもいいでしょう。食物繊維には便秘や血糖値の上昇をおさえる効果があります。このシイタケエキスは、材料費も安く、時間も手間もかからず、だれにでも実践できる健康法です。血圧の薬と縁を切ることが出来る人も多くおすすめの健康法です。

コレステロールも低下

人間は多くの場合、加齢とともに血圧が下がる傾向にあります。その原因のひとつに、血管の壁にコレステロールや中性脂肪(体内で最も一般的な脂肪) などの脂質が付着して、血管の通り道が狭くなることがあります。
こうして血管が狭くなったり、血管の弾力性がなくなったりすると、動脈硬化に移行します。
動脈硬化がさらに進行すると、血液がスムーズに流れにくくなるため、心臓はより強い収縮によって血圧を上げ、血流に勢いをつけなければなりません。
高い圧力の加わった血流は、血管壁を傷つけ、動脈硬化の範囲をさらに広げるという悪循環をくり返します。
ところで、動脈硬化の一因となる体内のコレステロールは、もっぱら脂肪分の多い食べ物から体内に取り入れられているとばかり思われがちです。しかし、実際は食べ物から摂取するコレステロールは全体の2~3割といったところで、その大半は肝臓でつくられているのです。
エリタデニンは、その肝臓に作用して、余分なコレステロールを体外に排泄する働きをもっています。
高血圧や動脈硬化をはじめとする生活習慣病(成人病) に対して、シイタケが有用であることがわかると思います。

しいたけの戻し汁が血圧を下げる作用についてはこちらの血圧の専門サイトでも紹介されているほどの定番の降圧食品です。血圧が高い人は是非、試してみるといいでしょう。降圧剤でなかなか下がらなかった頑固な高血圧がシイタケの戻し汁を飲んで3ヶ月で薬不要の正常になって人もいます。