血管はもっと若返る

脳の血管の隠れた詰まりや動脈硬化の度合いが わかる「きらきら星の手の動作

心配な人は自分でチェックできる

動脈に弾性がなくなり、内壁が厚く固くなって、血の通り道が狭くなることを「動脈硬化」といいます。
血管は栄養や酸素など体に必要なものを運搬しているため、この動脈硬化が脳内で進むと、さまざまな脳血管障害が引き起こされます。
脳の小さな血管が切れてしまうと脳出血、脳の血管が詰まると脳梗塞になります。
これらの病気を総称して、一般に脳卒中と分類しています。
こうした病気を引き起こす脳の動脈硬化や脳血管障害の有無や程度を自分で簡単にチェックできる方法があります。それは手首を裏表に回転させ、スムーズに動くかどうかを見るというテストです。

まず、両手のひじを軽く曲げ、手のひらを前に向けて自然に広げます。そして左右の手首を内側に同時に回転させ、手のひらを手前に向けます。
それから、左右の手首を外側に同時に回転させ、手のひらを再び前に向けます。この動作を、約20秒間くり返します。速さは無理のないスピードでかまいません。
手のひらを返す動作を続けるこの動きは、ちょうど子どもがお遊戯で習う「きらきら星」の手の動作に似ています。そして、この間、左右の手のリズムが乱れずにスムーズに回転できれば問題ありません。ですが、左右どちらか、もしくは両方の手の動きが乱れてしまったり、動きがスムーズでない場合は、脳血管障害が進行している可能性があります。

もうひとつは、「指折り数え運動」です。両手の指をスムーズに折り曲げることができるかどうかを見るというものです。
両手のひらを上に向け、数を数えるように、親指、人差し指、中指、薬指、小指の順番で指を折り曲げ、こぶしを握ったグーの状態にします。
次に、小指、薬指、中指、人差し指、親指の順番で手を開きます。この動作を素早く10回程度くり返します。この運動がスムーズにできれば問題ないのですが、左右どちらか、もしくは両方の手の動きがぎこちなかったり、違和感を感じたりしたら、脳血管障害が進んでいる危険性があります。

脳の血管の状態を反映する手の動き

「きらきら星運動」や「指折り数え運動」のように、手に細かい動きを要求する運動は、脳血管の状態を反映しやすいのです。
自覚症状のない小さな脳梗塞が起こって脳の血管の血行が途絶え、脳神経の一部が死んでいたりすると、脳からの指令がスムーズに手に伝わらず、手の動きはぎこちなくなります。
これらの運動をして、右手の動きがおかしいときは、左脳の血管に、また、左手の動きがおかしいときは、右脳の血管になんらかの異常があると考えられます。
また、両方がおかしいときは、頸椎の異常や変形性頸椎症などがある可能性もあります。
この2つの動作は脳血管障害を発見するだけでなく、動脈硬化の予防や進行防止にもとても有効です。
というのも手を動かすことによって脳に刺激を与えると脳の血流がよくない、脳神経の働きも改善されます。
さらに、血流がよくなり、脳細胞に栄養が行き渡るようになると、脳の活性化にもつながります。
また、これらの運動がうまくできなかった人は、脳血管の障害がかなり進んでいる疑いがあります。ぜひ、病院で検査を受けてください。

40歳以上の肥満者は動脈硬化の危険大

動脈硬化は特別な病気ではありません。平均的な生活をしている日本人なら日頃の食生活や運動不足からコレステロールや中性脂肪が血管にたまり、40歳を過ぎると間違いなく動脈硬化がはじまっていると考えられます。
特に太りぎみの人は動脈硬化がより進んでいると考えて間違いないのです。

手の運動で異常がなくても、動脈硬化が進んでいる恐れはあります。実をいうと、動脈硬化や動脈硬化によって引き起こされる病気を防ぐには、手の運動に異常が現れるよりもっと早い時期に動脈硬化を判断する必要があるのです。その目安となるのが肥満です。
肥満かどうかは、体脂肪率の割合を見ればわかります。

肥満かどうかは、体脂肪率(体に蓄えられている脂肪の割合) をみればわかります。体脂肪率は測定器で簡単に測ることができますが、測定器がない場合でも、BMI(BODY MASS INDEX)の値を出せばわかります。
BMI は体重(kg) を身長(m)の二乗で割った数値です。BMIの平均値は21~22で、これが25以上だと肥満、30以上だと高度肥満です。BMIが25を超えていたら動脈硬化になる危険性が高いので、カロリーや脂肪の摂取量をへらしたり、運動をしたりして、肥満を解消するよう意識をかえていかなければなりません。
コレステロールを下げるためにトクホのイサゴールなどの活用もおすすめです。

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