血管とは血液が流れるだけの管なのか

血管と血液は密接な関係にある

私たちの体の中には全身に血管が張りめぐらされ、その中を血液が流れています。私たちが健康で生きていくうえで、とても大切な血管と血液ですが、これらについての知識をどの程度もっているでしょうか。
次の設問の答えが◯か✕か、考えてみましょう。

  1. 血管は臓器である
  2. 血管は硬くて強いほうがよい
  3. 大切なのは血管よりも中を流れる血液の状態である
  4. 1人の血管をつなぎ合わせた長さは1,000kmである
  5. 血液が全身を循環するには1時間以上かかる
  6. 脳梗塞は脳の病気である

まず、第1問、血管は臓器なのか?という問いです。血管には平滑筋(へいかつきん)という筋肉があり、心臓をサポートして血液を全身に送る働きをしています。また、組織との間で栄養や酸素、老廃物などの受け渡しに重要な役割を果たしています。答えは◯で、血管は立派な臓器です。

血管はしなやかなほうが健康

丈夫な血管というと、なんとなく硬くて強いというふうにイメージすることもあると思いますが、実際には、しなやかで、弾力があって、薄い血管こそが若くて健康な血管なのです。元気な血管は、弾力があり、平滑筋の働きで血液を力強く先へ送ります。反対に、老化した血管は弾力を失って硬くなります。つまり、第2問の答えは✕です。

血管と血液の状態はどちらも大切

血液は、摂取した栄養や呼吸から得る酸素を体の隅にまで運ぶ役割をしています。さらに、生命活動をおこなう中で生まれる老廃物を腎臓に運びます。血液はサラサラしていて流れが良いのがベストです。反対に、粘着質でドロドロになり流れが悪いと、さまざまな病気の原因となります。
このように血液の状態は間違いなく重要なのですが、血管が若く弾力に富んでいるからこそ、勢い良く体中を駆け巡ることができます。血液は、心臓のポンプの力だけでは体の隅々まで行き渡ることはできないのです。また、血液の状態は、常に接している血管の内皮と密接に関係しています。血管に傷がついてそこから出血したり、ぶよぶよした膿ができると、途端に状態は悪化します。
ですから、血管も血液もどちらの健康状態も大切で、第3問の答えは✕です。

血液の流れは超高速

心臓につながっている大動脈は、さまざまな器官に血液を送るために、いくつもの動脈に枝分かれして体中へと伸びています。それぞれの動脈はさらに細い血管になって組織の中へ入り込み、栄養分をやりとりします。そして、多くの静脈を経て大静脈にまとまり、心臓へ戻ってきます。
成人の1人の血管をつなぎ合わせて1本にした長さはなんと100,000kmにもなり、これは地球を2周以上するくらいあります。ですから、第4問の答えは✕となります。

血管の長さがこれほどあることを考えると、心臓から押し出された血液が体中を巡って戻ってくるには結構な時間がかかりそうなものですが、実際のその時間は40秒~1分ほどであり、考える以上の高速度で血液は流れているのです。したがって、第5問の答えは✕となります。

続いて第6問、脳梗塞についてですが、結論から言うと答えは✕です。脳梗塞なんだから脳の病気だろう、と思われがちですが、脳を走っている血管が詰まる病気です。脳梗塞のほかにも、くも膜下出血、脳出血、心筋梗塞などの突然死を引き起こすとされる病気は、血管の病気に分類されます。