血管をしなやかにして心臓の骨化を食い止める栄養素

サプリからの摂取ではなく食事からとる栄養が基本

心臓の「骨化」は、冠動脈が動脈硬化を起こすと生じます。そのため、骨化を予防するには、まず動脈硬化の進行を防ぐことが重要です。

動脈硬化を促進する危険因子として、肥満、運動不足、偏った食生活(特に動物性脂肪の取り過ぎ)、喫煙、高血圧、脂質異常症(高脂血症)、糖尿病、ストレスなどが挙げられます。

高血圧や脂質異常症、糖尿病などの持病がある人は、その治療をきちんと行うことが先決です。基本的なことですが、適度な運動とバランスのよい食生活を心がけて、肥満を解消することや、禁煙もぜひ実行してください。

食生活に関しては、まず毎日の食事で、カルシウムをしっかり取ることが必要です。骨化は体内のカルシウム不足が引き金となるからです。日本人のカルシウム摂取推奨量は、成人男性で1日当たり700~800mg、成人女性で650mgとされていますが、現実には多くの人が不足しています。

それを補うために、小魚や大豆・豆製品、葉物野菜、海藻、乳製品などカルシウムを多く含む食品を積極的に取ることが大切です。

特に女性は閉経後、女性ホルモンの分泌が低下するので、骨からのカルシウム溶出が増大します。

そのため、骨租髭症の予防のためにも、食事でカルシウムをしっかり取ることを心が」けましょう

なお、カルシウムはサプリメントで摂取するよりも、食事から取るのが理想です。サプリメントの場合、体内に速やかに吸収されて血中カルシウム濃度が急上昇しますが、これがかえつて骨化を促進する恐れがあるためです。

カルシウムが豊富な食品を多く取るとともに、適度に日光を浴びることと、少し負荷のかかる運動を習慣にしましょう。日光を浴びると、カルシウムの吸収を助けるビタミンDが体内で合成され、骨に負荷のかかる運動を行うと、カルシウムが骨に沈曲者しやすくなります。

l年で骨化の進行が抑制きれたという報告も続々

カルシウム以外にも、骨化の予防・改善に有効な栄養素があることがわかっています。ビタミンKと、魚に多く含まれる脂肪酸であるEPA(エイコサペンタエン酸) とDHA(ドコサヘキサエン酸) です。

ビタミンK は脂溶性のビタミンで、納豆に多く含まれています。最近の研究によると、基準量を満たすようにビタミンKを摂取すると、1年ほどで骨化の進行が抑制された、との報告があります。

ビタミンKは、血管の内部に入り込み、動脈硬化を起こした血管壁にカルシウムが沈着するのを防ぐ働きがあると考えられています。
ビタミンKが多い食品の代表格は納豆ですが、血栓を溶かす「ワーファリン」という薬を服用している人は、薬の効果を打ち消してしまうため、納豆を食べてはいけません。

ほかには、モロヘイヤやコマツナ、シュンギクなどの葉物野菜、ワカメ、ノリ、ヒジキなどの海藻類に、ビタミンKが多く含まれています。ワーファリンを服用している人や、納豆が苦手な人は、これらの食品を積極的に取るようにしましょう。

魚を食べる日本人は白人に比べて進行が遅い

EPAやDHAに心臓の骨化を抑制する働きがあることは、日本人と白人の比較研究がきっか」けでわかりました。実は、日本人は白人に比べて、心臓の骨化の進行が遅いのです。骨化の度合いと、栄養素の摂取状況の関係を統計的に調べた結果、EPAとDHAを十分に取っている人は、骨化の進行が抑えられていると判明しました。

とはいえ、食生活の洋風化や肉など動物性脂肪の摂取が増えたことにより、日本人のEPAとDHA摂取量は減少傾向にあります。EPAやDHAは、イワシやマグロ、サバ、タイ、ブリ、サンマ、サケ、アジなどの魚に多く含まれています。

食事では肉ばかりに偏らず、魚も毎日食べるようにしましょう。このように心臓の骨化は、生活習慣、とりわけ食事と深い関係があります。年齢とともに進む心臓の骨化を食い止めるために、自分の生活習慣や食事内容を見直して、できるところから改善に取り組んでください。

心臓の骨化を防ぐ栄養素

カルシウム
  • 小魚
  • 大豆や大豆製品
  • ほうれん草
  • 小松菜
  • 春菊
  • 海藻類
  • 乳製品
  • EPA・DHA
    • いわし
    • まぐろ
    • サバ
    • タイ
    • ブリ
    • サンマ
    • サケ
    ビタミンK
    • 納豆
    • ほうれん草
    • 春菊
    • 海藻類

    マンボウの肝油