食物繊維がコレステロールを便と一緒に排泄

食べ過ぎ、飲み過ぎはNG

動脈硬化の予防には、どんな食品がコレステロールを増やすのか、または、減らすのかという関係をよく知ることが非常に大切です。
それには、コレステロールを「摂りすぎない」「置かせない」ことです。
「摂りすぎない」というのは、食べすぎや飲みすぎに注意することです。エネルギーを過剰に摂れば、それだけ肝臓で作られるコレステロールや中性脂肪(体内の最もありふれたタイプの脂肪で代表は皮下脂肪) をふやす原因になるからです。ところで、「摂りすぎない」と言うと、コレステロールを多く含む食品を食べないようにしようと考えがちですが、これは必ずしも正しいとはいえません。コレステロールの多い食品を摂っても、コレステロール値が上昇する人もいれば、全く上昇しない人もいるからです。
それから、コレステロールの多い食品が必ずしも動脈硬化を進行させるとは限りません。コレステロールの多い食品の中には、体に必要なほかの栄養素をたくさん含んでいたり、反対に動脈硬化の予防につながるビタミンEなどの成分が含まれていたりするからです。

便と一緒に排泄していく

「摂りすぎない」、つまり、食べすぎ飲みすぎに注意したあとは、コレステロールを「置かせない」ことが重要になります。「置かせない」とは、体内の余分なコレステロールをすみやかに体外に追い出すことです。
コレステロールは、小腸で脂肪を消化する働きをする胆汁酸の材料になります。胆汁酸はその作業が終わると、一部は便として脈那されますが、大部分は小腸から吸収されて肝臓に戻り再利用されます。しかし、便といっしょに出ていった分の胆汁酸は、新たに肝臓のコレステロールから作られるので、そのぶん、肝臓の中のコレステロールの量がへります。すると、肝臓は材料となるコレステロールを血液中からさかんに取り込みます。その結果、血液中のコレステロールがへり、総コレステロール値、悪玉コレステロール値が下がります。
つまり、余分なコレステロールは、胆汁酸にして、便としてどんどん排泄すればよいのです。このコレステロールの排泄の促進に大いに威力を発揮するのが食物繊維です。

1日の食物繊維は20~30gが理想

ところで、食物繊維といっても、「非水溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」の2つがあります。食品により2つの繊維の含まれる割合はさまざまです。
また、2つの繊維の体への作用のしかたも微妙に違います。まず、非水溶性食物繊維はゴボウやタケノコなど、筋っぽい感じがする野菜や、穀類、キノコ、イモなどに多く含まれています。その働きは、体内であまり消化されず、逆にスポンジのように水分を含んで、数倍から数十倍に膨らみます。それによって刺激された腸壁は、先へ先へと送り出そうと活発に動きます。そして、便の量をふやしながら、排便が促進されます。そのため、非水溶性食物織維は、便秘の解消・予防、または大腸ガンなどの予防にも効果があるといえます。
水溶性食物繊維は、果物や豆類、ニンジン、海藻、コンニャクなどに多く含まれています。水溶性食物繊維は、水に溶け込み、ぬるぬるとした性質を持つため、小腸で胆汁酸を吸着します。また、腸内でだぶついているコレステロールも吸着して、そのまま便となって排泄します。そのため、コレステロールの排泄を促進する効果は、非水溶性食物繊維よりさらに強力です。また、水溶性食物繊維は糖質の腸からの肪収をおさえる作用があるために、摂取するとで軽いカロリー制限と同じ効果が生じます。その結果、肝臓でのコレステロールや中性脂肪の合成がさらにおさえられることにつながります。
コレステロールをどんどん体外に排出するこれらの食物繊維は、非水溶性食物繊維と水溶性食物繊維を合わせて、1日に20~30g摂るようにしなければ、効果は期待できません。これは意識して摂らないとなかなか難しいことですが、昔の日本人はこれくらいの量は十分に摂っていたのです。伝統的な和食を見直すいい機会です。
なお、食物繊維は加熱してもそれほど損なわれることはありません。煮物などにすれば、それだけ量を多く食べられます。

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