血圧を下げる

睡眠時無呼吸症候群による睡眠中の呼吸停止を防止する 構向き寝

構向き寝

睡眠時無呼吸症候群による睡眠中の呼吸停止を防止する 構向き寝 についてです。いびきをかいてその後数分間、呼吸が止まってしまう 睡眠時無呼吸症候群 による 突然死 防ぐための 横向き寝 です。

睡眠中に複数回目が覚めてしまう 構向き寝 で対策

「 睡眠時無呼吸症候群 」 という病気をご存じでしょうか。これは、文字どおり、睡眠中に何度も無呼吸の状態がくり返し起こる病気です。いびきをかく人は要注意です。

眠っている最中に、鼻からのどにかけての空気の通り道である「上気道」が狭くなり、なにかの拍子で完全に閉じてしまう病気です。専門的にいえば、上気通がふさがって10秒以上の無呼吸状態が一晩に30回以上あると、睡眠時無呼吸症候群だということになります。

睡眠時無呼吸症候群の人にみられる大きな特徴は、眠っているときに大きないびきをかくことです。そして、ガーガーといびきをかいていたかと思うと、突然ふっと呼吸が止まります。

ひどい人では、なんと90秒もの間、呼吸が止まっています。もちろん、無呼吸状態がずっと続けば、危険も生じます。

ですから、 「 いびき → 呼吸の停止 →  呼吸の再開 」 といった状態が、一晩中くり返されるのです。
この呼吸の再開のために、実は脳が目覚めて覚醒状態になることが必要になります。しかししばらくすると、また眠り込むので無呼吸の状態になります。

そして、また脳が目覚めて覚醒状態になり、呼吸が再開されます。ですから、脳波上では浅い眠りと中途覚醒をくり返していることになり、一晩中深い睡眠をとれないのです。

その証明として、睡眠時無呼吸症候群の人がよく訴える症状で、「よく寝たはずなのに、昼間に眠くて眠くてしかたない」といったことがあります。しかし、睡眠時無呼吸の悪影響は、これだけではありません。血圧を上げる要因にまでなるのです。

睡眠時の無呼吸が血圧を上げる要因に

眠っているときに無呼吸状態になると、血圧を上げる2つの要因が発生します。1つめは、低酸素状態が起こる点です。呼吸が止まるのですから、体内は低酸素状態になります。すると、ものすごいストレスが体中にかかり、血圧が上昇します。

普通に息を数秒止めるだけでも血圧は上昇しますから、
一晩中無呼吸をくり返せば血圧が上がりやすいというのは、おわかりいただけると思います。
2つめの要因は、睡眠中に体を活動状態に導く交感神経が優位になってしまう点です。本来、睡眠中には、体を休息状態に導く副交感神経が優位な状態になっています。

副交感神経が優位ということは、心臓の働きも呼吸の働きもゆっくりとおさえられていることを意味します。

要するに、寝ることによって体の機能がおさえられて、私たちは休息をとっているわけです。ところが、睡眠中の無呼吸を解消するために脳が覚醒することで、交感神経が急激に克進します。そして、いきなり交感神経が優位な状態になってしまいます。すると、呼吸が再開されるものの、血圧が突然上がるのです。

つまり、まず低酸素状態によって上昇した血圧が、さらに脳の覚醒によって上昇することになります。これは眠っているときだけの話ではなく、昼間の血圧を上げる可能性も十分にあるのです。というのも、専門家の間では、睡眠時無呼吸症候群の人の昼間の高血圧の発生率は、30~70% だと考えられています。これは、普通の人と比べると、非常に多い数字です。

その一方で、高血圧患者の約9割を占めるといわれる本態性高血圧(はっきりとした原因がわからない高血圧) のうちの3割が、睡眠時の無呼吸を起こしているという報告がアメリカで出されています。こうしたことを考えると、睡眠中の無呼吸を解消するにこしたことはありません。

マスク療法が効果を発揮する

完全に無呼吸が起こらないようにするには、「シーパップ」という装置が最も有効です。シーパップの本体には長いホースがあり、そのホースの先に鼻に当てるマスクがついています。

そこから絶えず空気が出てきます。つまりこの鼻マスクをつけることで、鼻から絶えず空気を送り込み、上気道を広げるのです。
これで無呼吸状態が起こることはありません。この装置のメリットとして、むだな血圧の薬を飲む必要がなくなることもあげられます。というのも、この装置で睡眠時無呼吸症候群を治すと、高血圧も同時に改善しまう人が少なくないのです。

 

軽症の人には、まず、次の3つの生活習慣の改善をぜひしていただきたいと思います。

  1. 横を向いて寝る
  2. 肥満解消
  3. お酒、特に寝酒を控える

どうしても横向きに寝ることができない人は、 「 抱き枕 」 を使うと効果的です。

睡眠時無呼吸症候群は、寝ている間に鼻からのどにかけての上気通が狭くなり、閉じてしまう病気です。

人間は、あおむけに寝ると舌が後ろ側、つまりのどの方向に落ち込みます。そして、睡眠状態に入ると全身の筋肉が弛緩します。

当然、のどの周辺の筋肉も弛緩します。こうなると、上気道はかなり狭くなります。そこで横向きに寝るようにすれば、こうした状況を回避することができるのです。
さらに太っている人の場合、体の内部に脂肪がついているので、ふだんから上気道が狭くなっています。

ですから、肥満の解消も重要なことです。もちろん、太っている人のあおむけ寝は、さらに上気道を狭くさせますから避けましょう。
3つめの項目の酒は、アルコールがのどの筋肉を弛緩させて上気道を狭めることにつながります。

ですから、特に寝酒は控えることをお勧めします。「ふだんはいびきをかくが無呼吸にまではならない」という人でも、お酒を飲むと間違いなく無呼吸が起こってしまいます。最後に、どうしても睡眠時無呼吸症候群が心配だというかたは、内科、特に呼吸器内科に診てもらうのがいいでしょう。

血圧を下げる

ごろ寝が血圧を下げる

傷ついた血管は睡眠中に修復

血圧とは、心臓から送り出された血液が血管内を流れるとき、血管壁を押し広げる圧力のことです。
この圧力が高いほど血管への負担は大きく、血管が傷みやすくなります。血管への負担が重なると、動脈硬化を招き、やがて心筋梗塞(心臓の血管が詰まって起こる心臓病) などの重大な病気になりかねません。
血圧は1日の中で刻々と変化しています。一般に血圧は、睡眠中が最も低く、朝から日中にかけて上昇します。
高血圧の養生法の一つとして、十分な睡眠をとることが勧められますが、これは、血圧が下がっている時間が長ければ長いほど、日中、高い血圧で傷んだ血管の修復ができるからなのです。
実際、睡眠時には血圧が大きく下がります。軽い高血圧の人なら、日中は血圧が高くても、睡眠時には健康な人と同じくらいになるほどです。
ただし、睡眠中でも血圧はやはり刻々と変動しています。騒音や電灯の光などの刺激があると、血圧は急上昇します。
静かな環境を保つ工夫をして、十分な睡眠をとるようにしなければいけません。血圧が気になる人は、この睡眠の効果を活用しない手はありません。
日中でも、体を横にして休む、つまり「ゴロ寝」をすることで、睡眠と同様の効果が得られます。
横になって休んでいると、心身がリラックスして、血圧はしだいに落ち着き、15分くらいでかなり下がり、30分もすると最も低い状態になります。最大血圧でだいたい一15~20mmHG、人によっては40mmHGも下がる場合もあります。しかも、ゴロ寝による降庄作用は、ふだんの血圧が高い人ほど大きいのです。高血圧の人は日中、できれば午前と午後の2回、30分ずつほどゴロ寝をしたいものです。仕事をしている人も、休み時間などを利用して、体を休める習慣が血圧を下げるきっかけになります。

なぜ、横になるだけで血圧が下がるか?

横になると、手足や内臓の無理な血管収縮がとれる

人間は重力の関係で、立ったままでいると血液が下半身にたまります。そこで、ある程度以上血液がたまらないように、そして大切な脳の血流がへらないように、手足や内臓の血管が収縮して、血液を心臓に押し返します。
これが血圧を上げているわけです。横になって休めば、手足や内臓の無理な血管収縮がなくなり、血圧が下がるのです。

横になると、腎臓を流れる血流量がふえ、血圧を強力に上げる物質であるレニンの活性が弱まる

腎臓に流れてくる血液量がへると、腎臓はレニンという物質を分泌し、その作用により血圧を上げて、腎臓の血流量をふやそうとします。しかし、横になると腎臓の血流量は自然にふえますから、レニンの活性が弱まって血圧は下がります。

リラックスすることで、交感神経の緊張がゆるみ、血圧を上げる作用のあるアドレナリンの分泌がおさえられる

自律神経(意志とは無関係に体の機能を調節する神経) の1つである交感神経が緊張すると、神経の末端からノルアドレナリンが放出され、また腎臓の上にある副腎という器官からアドレナリンが分泌されます。これらのホルモンは、血圧を上げます。横になってリラックスすることによって、交感神経の緊張がゆるみ、ノルアドレナリンやアドレナリン
の分泌がおさえられると血圧が下がるのです。

以上のような理由から、ゴロ寝をすることによって、血圧を下げ、傷んだ血管を修復することができるわけです。とはいえ、1一日中ごろごろしているのはよくありません。高血圧の改善のためには、適度な運動も欠かせません。ウォーキングや自転車こぎなどの運動は、血圧を下げる効果があることがわかっています。
医師に相談して、自分に合った運動を指導してもらい、生活に取り入れるようにしてほしいものです。
食事の面では、なんといっても減塩が高血圧療法の基本です。食塩は1日6g程度に制限するよう努めましょう。
タバコは論外です。アメリカでは高血圧療養の第一に禁煙があげられています。喫煙にょるニコチンや一酸化炭素は動脈硬化の進展に拍車をかけ、たとえ血圧を下げても功を奏さずに、心筋梗塞を起こす危険があります。お酒も、ストレス解消に役立つ面もあるとはいえ、暴飲は禁物。適量を楽しんで飲むことです。以上のことを、ゴロ寝とともに日常の習慣に加えるようにします。

胚芽米を水に浸けてから炊くと血圧を下げる「ギャバ」が摂取できる

50%の人の血圧が下がった

「数時間、水に浸けてから炊いた胚芽つきご飯」が、高血圧を非常によく改善することを発見しました。
胚芽とは、植物の種の中で、将来芽となって成長する部分です。この効果をもたらすのは、ギャバという物質です(ギャバとはアミノ酸の一種であるガンマアミノ酪酸= ガンマアミノビューティリクアシド。頭文字をつなげて、通称ギャバといいます)。胚芽米を水に浸けると、酸素欠乏の状況になり、胚芽米に含まれるグルタミン酸というアミノ酸の一種がギャバという物質に変化します。

高血圧の8割は本態性高血圧といって、原因不明のものになります。血圧降下剤も人によって合う合わないがあるため、いろいろ調べてその人に合うものを探さなければなりません。それなのに、ありふれた食品で5割の人の高血圧が改善されるとは、医学の世界でも驚異的です。

腎臓のろ過装置

ギャバがなぜ高い血圧を下げるかについては現在、研究中ですが、一つだけ確認されているのが、ギャバによる腎臓の活性化作用です。
動物の体は、血液中の塩分が一定以上になると生きていけなくなるため、不要な塩分はすみやかに排泄されるようにできています。ところが高血圧の場合、塩分を排泄する機能がうまくいかないことが多いのです。塩分を排泄する器官といえば、腎臓です。

過剰な塩分摂取によって死亡した高血圧ラッの腎臓を調べると、基底膜細胞(ろ過装置の役割をする細胞) が死滅と再生をくり返し、最終的には再生が追いつかなくなっていました。
基底膜細胞が死滅すると、体は排泄すべき塩分を再び回収してしまい、血液中の塩分は正常値を超え、血圧はさらに上昇します。ところが、ギャバを与えたラットの基底膜細胞は、死滅することなく、塩分をどんどん排泄し、血圧を正常に保っていたのです。
このほか、脳内にたくさん含まれているギャバは、神経の抑制伝達物質(たかぶりを止める物質) であることから、血圧のコントロールを行っているのではないかとも推測されています。
実際は、ギャバは単独で効果を上げるのではなく、ともに働く相乗効果成分があって効果を発揮しています。
現段階は、その相乗効果も追究しているところです。

では、血圧降下に効果を発揮するギャバご飯を炊く方法です。米の品種としては、ギャバが生成される割合が高い米を選びます。お勧めは「コシヒカリ」で、これを米屋さんに頼むか、家庭用精米機で、七分づきにします。市販の胚芽米の「朝日」や「アケボノ」も、コシヒカリと同程度のギャバを生成します。胚芽米の場合は、酸化が早いので、2週間ほどで食べきる量ずつ購入するようにします。次が大切なポイントで、米を研いだ後、できれば40度 くらいのぬるま湯で通常どおりに水加減して2時間浸けおいてから、浸けた水ごと炊きます。
こうして水に浸けおくことで、胚芽中のグルタミン酸がギャバに変化します。ギャバは、水に浸けた最初の1~2時間の間で急激に増加します。
水でもよいのですが、40度のぬるま湯が最も効率よく、多量のギャバを生成します。ただし、夏は浸けおき中に腐敗しないように気をつけてください。
ギャバの生成量は、水に浸けてから8時間ぐらいまでゆるやかに上昇するので、冬は寝る前に水に浸け、起きてから炊いてもよいでしょう。
これを日に1合、食べます。胚芽付きの米1合はちょうど、血圧降下を期待するのに必要な1日量のギヤバを6~10mgほど含んでいます。もし玄米がお好きなら、ギャバはヌカからも生成されるので、玄米はまさに好都合。
同様に浸けおいてから炊いてください。出来上がったギャバご飯は、冷蔵や冷凍をしても、炒めご飯にしても変化しないので、いつもどおりの保存や調理ができます。
ただし、高熱を使うオープンで料理すると壊れるので避けます。ギャバご飯は、低血圧の人にもよい効果が報告されていますから、家族全員で安心して、同じご飯を召し上がってください。また、ギャバは水溶性で不要分は排泄されてしまうため、副作用の心配もありません。