手首を回しながら手を振る 手振り で気分が落ち着き 血圧 が 下がる ので紹介します。手は、全身の臓器や器官と密接な関係があり、全身の状態は手に現れます。ですから、異常のある内臓や器官に対応する手の部位を刺激することで、間接的に全身の治療を行う治療法が数多く実践されているのです。
左手は時計回り右手は反時計回り 手振り
手は、全身の臓器や器官と密接な関係があり、全身の状態は手に現れます。ですから、異常のある内臓や器官に対応する手の部位を刺激することで、間接的に全身の治療を行う治療法が数多く実践されているのです。
こうした手と全身の関係を利用した治療法の1つの例として、韓国で生まれた高麗手指鍼があります。
これは、手を全身の縮図とみなしてハリや灸を行うという治療法です。もう一つ、注目しているものが仙骨磁気療法です。
仙骨とは背骨(脊柱) の下部で、体の中心に位置しています。インドでは、ここにエネルギーがたまっていると考えられています。この仙骨に刺激を加え、体のゆがみを修正することで、全身の状態を整えていくのが仙骨磁気療法です。
この2つの治療法を組み合わせ、手を利用してもっと簡単に全身の治療ができる健康法はないかと考えました。そしてたどりついたのが、「手振り療法」です。
手を全身の縮図と考えた場合、中指が頭、親指と小指が両足、人差し指と薬指が両手、手のひらがおなかになります。そして、仙骨に相当するのが手首の甲側の真ん中にあるへこみです。
手振り療法は、この仙骨にあたる手首を回して、全身の生理機能を高めていくというものです。やり方は実に簡単で、左手を自分から見て時計回りに、右手をその反対(反時計回り)に回すだけです。
胸の前で、手についた水滴を払うように両手を下方に振ります。その勢いで、手が自然に戻ってくるような感じで上方に回してください。
両手をいっしょに回しても、交互に回してもかまいません。ただし、回転の方向を間違えると、体調を悪くすることがあるので注意してください。基本的に、座った状態で手を回すときは、両ひじを曲げて手を胸の前に出し、手に糸を巻くような要領でなめらかに回してください。
あおむけに寝た状態で行うならば、ひじを床に着けて、ひじから先、または手首から先を回すようにします。
いずれの方法にしても、手を回す目安としては、2~3秒で1回、回すペースで、最初は1日5分間続けるようにするとよいでしょう。
やり方はこれだけです。なによりも自分が気持ちいいと感じることを大切にしましょう。たとえば、自分がオーケストラの指揮者になった姿を思い浮かべてください。手が指揮棒であり、奏者は全身の臓器や器官です。指揮者の手によって、全身の臓器や器官のハーモニーが生まれるのです。
場所を問わずいつでもできる 手振り
手は全身を反映していますから、手首を回すことは全身運動をしたのと同じ意味があります。手振りを続けることで、全身の血液循環はスムーズになり、末梢の毛細血管のすみずみまで血液が行き渡るようになります。
ですから、血液循環のための心臓の負担は軽くなり、高血圧の改善に役立つのです。
また、気持ちを落ち着けて手振りのような単純な動作をくり返すことで、安らかな気分に浸ることができます。すると、体を休息状態に導く副交感神経が優位になって血管が拡張し、やはり血圧降下にいい影響があります。
高血圧のほかにも、血液循環の悪化によって生じるめまいや肩こり、腰痛、頭痛など、さまざまな症状に効果が期待できます。
今まで、多くの患者さんに手振りを勧めてきましたが、みなさん高かった血圧が下がった、よく眠れるようになった、気分がよくなったと、とても好評です。手振りはいつでもどこでも自分の手だけで簡単にできるのが最大の利点です。
ふだんから手振りを習慣づけておけば、たとえ短い時間ずつであっても効果が期待できます。なにはともあれ、まずは試してみてはいかがでしょうか。