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血管病は自分で防ぐことができる

生活習慣を見直して血管病を防ぐ

心疾患と脳血管疾患は、どちらも血管の病気です。これらは、おもに、生活習慣の乱れによって血管が老化するために起こるものです。
心疾患には、心筋梗塞や心不全、狭心症などがありますが、いずれも心臓の力が衰えて全身に血液を送ることができなくなってしまいます。また、脳血管疾患には、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血などがありますが、脳は、血液(酸素)が数分間止まっただけで壊死(えし)してしまうくらいデリケートにできています。

日本人の死因のトップといえば、悪性新生物(ガン)です。ガンは、遺伝するものもあり、不運な病気ともいえます。しかし、それと違って血管病は、ほとんど自分の生活習慣が乱れることでかかります。そして、血管病は命に関わるものですが、血圧が高いとか血糖値が高いという状態になってから、10年、20年という長い時間をかけて発症します。
その間に、自分のちょっとした努力で防ぐことができます。そう、血管病は、自分で予防することが可能な病気なのです。

タバコは有害物質のかたまり

愛煙家にとっては耳の痛い話かもしれませんが、タバコは健康な体に対して極悪な嗜好品です。
タバコには、ニコチンをはじめ、タール、カテコールアミンなどが含まれていて、有害物質のかたまりのようなものとも言えるでしょう。百害あって一利無し、といいますが、本当にキッパリとタバコを止めることがおすすめです。

タバコを吸うと交感神経が刺激され、快感を得ることができます。交感神経が緊張した状態になるため、眠気がとれる、頭がスッキリするというような気分になるのです。しかし、これは血管を収縮させているとも言えます。血管を無理に収縮させる行為は、ただでさえ一生懸命に働いている血管に、さらに無理を強いているのです。

そして、血管を収縮させて血流が悪くなるだけでなく、いたずらに血圧も上げています。タバコを吸ったときのクラッとする感じは、脳や心臓の血管がギューッと縮んでいるために起こるわけです。タバコを吸うとコラーゲンがボロボロになることもわかっていて、血管を老化させる、つまり動脈硬化の大きな原因となります。

自分や家族のために禁煙する

受動喫煙は、タバコを吸う本人よりも、まわりで煙りを吸う人に悪影響を及ぼすものです。公共の場などでは禁煙が一般的になってきましたが、家庭では、本人の意識以外に防ぐ方法がありません。大切な家族のことをじゅうぶんに考えましょう。

喫煙が習慣になっている人にとって、キッパリ禁煙するのは難しいでしょうから、まずは本数を減らすところから始めるのもいいかもしれません。

血糖値が高い人の血液はベトベト

血管が詰まる仕組み

血圧が高い状態が続くと血管内皮が傷ついて動脈硬化の原因になるのですが、これは血糖が高い場合でも同じことです。血液中の糖分が高くなる高血糖でも、動脈硬化を引き起こします。

血液中の赤血球はマイナス電気を帯びていて、互いに反発して、くっつきにくい性質があります。ところが、血液中の糖分が高くなるとベトベトしてきて赤血球同士はくっつきやすくなります。そうして雪だるま式に大きくなった赤血球の塊によって、血液の流れが悪くなり、血管が詰まりやすくなるのです。特に、毛細血管は極めて細いので詰まりやすく、さまざまな障害の原因となってしまいます。

血管の弾力を失わせる高血糖

高血糖が引き起こす問題は、ほかにもあります。

血管の内側の血管壁は、コラーゲンという線維状のタンパク質でできています。このコラーゲンがクッションの役割をしていて、血管が切れたり硬くなったりするのを防いでいるのですが、血糖値が高くなると「AGE」という物質ができ、コラーゲンに付着します。AGEが増えていくと、コラーゲンの弾力は失われていきます。このことが動脈硬化の原因となるのです。

高血圧や高血糖が続くと血管内皮に傷がつき、そこから脂肪が入り込みます。この脂肪が、LDL(悪玉)コレステロールと呼ばれているものです。コレステロール値が高くなり脂質異常になるとプラークができやすいのはこのためなのです。

高血圧、高血糖、そして脂質異常が、血管を痛めつける悪役であることが理解できると思います。この悪役たちが生活習慣病の首領であり、生活習慣病とは血管病だといえます。

メタボリックシンドロームと肥満

生活習慣病の本性は血管病だとわかりましたが、ここでメタボリックシンドロームとの関係を整理してみます。

肥満の人は、高血圧や糖尿病、脂質異常症などの病気を起こしやすい傾向があります。しかも、これらの複数の病気を併発している人も多いです。肥満と、高血圧・糖尿病・脂質異常症は、相互に発症しやすい関係で、肥満が進行するとほかの3つも悪化し、併発しやすいのが現状です。

このように肥満をベースにして、高血圧、高血糖、脂質代謝異常の、いくつかの危険因子を併せ持った状態をメタボリックシンドロームといいます。

メタボリックシンドロームの判断基準

メタボリックシンドロームかどうかの判断の基本は、ウエストサイズです。これは、内臓脂肪の蓄積状態を知るための目安のひとつとなります。ほか、血圧、血糖値、中性脂肪やコレステロールについても、次のような基準が設けられています。

  1. ウエストサイズ 男性が85cm以上、女性が90cm以上
  2. 収縮時血圧が130mmHg以上、拡張時血圧が85mmHg以上
  3. 空腹時血糖値が110mg/dl以上
  4. 中性脂肪値が150mg/dl以上、またはHDL(善玉)コレステロール値が40mg/dl未満

男性には内臓脂肪がつきやすく、女性には皮下脂肪がつきやすい性質があります。お腹がポッコリと出た男性の内臓脂肪型肥満のほうが、危険度が高いのです。また、血糖値を下げる唯一のホルモンをインスリンといいますが、内臓についた脂肪は、インスリンの働きを阻害することがわかっています。

動脈硬化と梗塞症

高血圧・高血糖が動脈硬化を引き起こす

私たちの心臓が拍動する度に動脈は拡張と収縮を繰り返していて、その数は、1日におよそ10万回にも及びます。このように動脈はとても過酷な労働をしているわけですが、血圧が高くなることで、さらに厳しい状況になります。中等度の高血圧の基準値は160mmHgとなっていて、これだけで血圧が正常な人よりも30パーセントも多く圧力を受けているのです。

さらに、血糖値やコレステロール値が高くなって血液がドロドロしてくると血管内皮が受けるダメージがますます大きくなり、ダメージに耐えられなくなると、その血管内皮は傷や炎症を起こしやすくなります。この傷に血液中の脂質が入り込み、やがては「プラーク」といわれるやわらかなコブができます。すると、そのために血管は細くなって、詰まりやすくなるのです。

このようなメカニズムで起こる血管のトラブルが「動脈硬化」です。これが静脈には起こらず動脈だけに起こるのは、動脈が常に強い圧力を受けているためです。

プラークは不安定で破れやすい性質です。いったん破れると血小板が集まってかさぶたができるのですが、このかさぶたがはがれて血流にのって飛んでいき、脳や心臓の細い血管に詰まるのが塞栓症(そくせんしょう)です。こうして脳の血管が詰まると脳梗塞、心臓の血管が詰まった場合には心筋梗塞となります。

3ミリ以上の大きさのプラークは危険

動脈硬化によってプラークができますが、このプラークは、頸動脈の超音波(エコー)検査で、はっきり目に見えます。健康な人の場合、血管の内膜と中膜の厚さは0.7ミリ以下ですが、プラークによって3ミリ以上に盛り上がると、血管の狭窄が始まっていると診断されます。それを放置しておくと、血管はさらに狭くなり、最悪、閉塞してしまう可能性があります。脳梗塞や心筋梗塞の危険性もとても高いのです。

動脈硬化を繰り返した血管は、しだいに内皮が硬く厚くなっていきます。すると、血管はしなやかさを失い、血圧が高くなるという悪循環に陥ります。

頸動脈は首の左右にある太い動脈です。脳にはたくさんの血液が必要なので、頸動脈には大量の血液が流れています。首から脳へ、つまり重力に逆らって上へと血液を送っているわけですから、平滑筋の収縮力も最大級必要とされます。

血管で重要なのは内皮

血管は三層の構造

動脈の血管壁は、外側から外膜、中膜、内膜の三層構造になっています。外膜は血管を守る保護層で、中膜は平滑筋細胞などで形成されていて、血管の拡張と収縮に関わっています。内膜は、薄い繊維成分の内弾性板と内皮細胞からできています。この中で最も重要なのが、内皮細胞です。内皮細胞は血管壁の一番内側にあって血液と常に接しているからです。ですから、血液の状態が悪くなると真っ先に傷ついてしまうのがこの内皮細胞です。よく耳にする動脈硬化も、内皮細胞が老化し傷つくことが原因です。

静脈も動脈と同じで三層構造です。ただし、中膜は動脈よりも薄くできています。動脈は血液を送り出す収縮運動をおこなうために平滑筋が発達しているのですが、静脈にはその必要がないので薄くなっています。静脈には血液が逆流しないための弁がついているのが特徴です。

血圧について

心臓の左心室から送り出された血液は、その勢いで動脈を膨らませます。そのときにかかる強い圧力を「収縮時血圧」といいます。これは、一般的には「上の血圧」と呼ばれています。この収縮時というのは、心臓の左心室が収縮しているときを指しています。
そして、収縮した左心室はすぐに拡張し、次の血液を吸い込むのですが、このとき動脈につながっている弁が閉じて、血液の逆流を防いでいます。
一方、動脈は、平滑筋の力で血液を送り出し、次の血液が出てくるのを待っています。この圧力がかかっていない状態の血圧を「拡張時血圧」といい、一般的に「下の血圧」といいます。
私たちの体の中では、心臓が拍動する度、動脈は収縮と拡張を繰り返しているのです。

血管も年齢とともに老いる

健康な人で、上の血圧は120mmHgくらいです。心拍数は、1分間に70回とした場合、1日に10万回ほどにもなり、動脈は休むことなく強い圧力を受け続けています。
この過酷な状況におかれている動脈がしなやかさを失うと、血管が硬くなり厚さも増します。年齢を重ねることにより、たとえ健康な人でも、血管は疲れて老いていきます。

血管とは血液が流れるだけの管なのか

血管と血液は密接な関係にある

私たちの体の中には全身に血管が張りめぐらされ、その中を血液が流れています。私たちが健康で生きていくうえで、とても大切な血管と血液ですが、これらについての知識をどの程度もっているでしょうか。
次の設問の答えが◯か✕か、考えてみましょう。

  1. 血管は臓器である
  2. 血管は硬くて強いほうがよい
  3. 大切なのは血管よりも中を流れる血液の状態である
  4. 1人の血管をつなぎ合わせた長さは1,000kmである
  5. 血液が全身を循環するには1時間以上かかる
  6. 脳梗塞は脳の病気である

まず、第1問、血管は臓器なのか?という問いです。血管には平滑筋(へいかつきん)という筋肉があり、心臓をサポートして血液を全身に送る働きをしています。また、組織との間で栄養や酸素、老廃物などの受け渡しに重要な役割を果たしています。答えは◯で、血管は立派な臓器です。

血管はしなやかなほうが健康

丈夫な血管というと、なんとなく硬くて強いというふうにイメージすることもあると思いますが、実際には、しなやかで、弾力があって、薄い血管こそが若くて健康な血管なのです。元気な血管は、弾力があり、平滑筋の働きで血液を力強く先へ送ります。反対に、老化した血管は弾力を失って硬くなります。つまり、第2問の答えは✕です。

血管と血液の状態はどちらも大切

血液は、摂取した栄養や呼吸から得る酸素を体の隅にまで運ぶ役割をしています。さらに、生命活動をおこなう中で生まれる老廃物を腎臓に運びます。血液はサラサラしていて流れが良いのがベストです。反対に、粘着質でドロドロになり流れが悪いと、さまざまな病気の原因となります。
このように血液の状態は間違いなく重要なのですが、血管が若く弾力に富んでいるからこそ、勢い良く体中を駆け巡ることができます。血液は、心臓のポンプの力だけでは体の隅々まで行き渡ることはできないのです。また、血液の状態は、常に接している血管の内皮と密接に関係しています。血管に傷がついてそこから出血したり、ぶよぶよした膿ができると、途端に状態は悪化します。
ですから、血管も血液もどちらの健康状態も大切で、第3問の答えは✕です。

血液の流れは超高速

心臓につながっている大動脈は、さまざまな器官に血液を送るために、いくつもの動脈に枝分かれして体中へと伸びています。それぞれの動脈はさらに細い血管になって組織の中へ入り込み、栄養分をやりとりします。そして、多くの静脈を経て大静脈にまとまり、心臓へ戻ってきます。
成人の1人の血管をつなぎ合わせて1本にした長さはなんと100,000kmにもなり、これは地球を2周以上するくらいあります。ですから、第4問の答えは✕となります。

血管の長さがこれほどあることを考えると、心臓から押し出された血液が体中を巡って戻ってくるには結構な時間がかかりそうなものですが、実際のその時間は40秒~1分ほどであり、考える以上の高速度で血液は流れているのです。したがって、第5問の答えは✕となります。

続いて第6問、脳梗塞についてですが、結論から言うと答えは✕です。脳梗塞なんだから脳の病気だろう、と思われがちですが、脳を走っている血管が詰まる病気です。脳梗塞のほかにも、くも膜下出血、脳出血、心筋梗塞などの突然死を引き起こすとされる病気は、血管の病気に分類されます。

健康長寿は、動脈硬化を防ぎ、血管を若々しく保つこと

血栓の原因にもなるアテローム性動脈硬化

私たちが健康に毎日を過ごすためには、血管の状態と血液の流れがいいことが非常に重要です。厚生労働省が推進している『21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)』でも、健康寿命を左右するものとして、第一に血管の老化度を表す血管年齢を挙げています。

ちなみに「健康寿命」とは「WHO(世界保健機関)」が提唱した新しい指標で、介護を必要とせずに自立して過ごせる年月のことをいいます。

血管が老化する最大の原因は、動脈硬化です。動脈硬化とは、動脈が厚く、硬く、しかも内腔が狭くなった状態をいいます。
動脈硬化は始まると急激に進行し、実にさまざまな疾病の原因となります。動脈硬化には、比較的太い動脈に起こる「アテローム性(粥状)動脈硬化」、細い動脈に起こる「細動脈硬化」、三層構造の動脈の中間の膜にカルシウムがたまって中膜が硬くなる「中膜硬化」があります。

その中で最も多いのがアテローム性動脈硬化です。動脈の内側に粥状の隆起(プラーク)ができるのが、アテローム性動脈硬化で、このプラークが血液を流れにくくします。
また、プラークは大変破れやすく、破れたときには血管内で血液が固まって血栓を作ります。

その血栓が、動脈の内腔を塞いだり、血栓が流れてさらに細い動脈を詰まらせたりすると、酸素や栄養分を運ぶ動脈血が流れなくなります。

この状態がどこの臓器に発生するかによって、それぞれの臓器に深刻な病気を引き起こします。なかでも、致命的になりかねないのが、心臓と脳に生じる病気です。

高血圧、糖尿病、喫煙、高脂血症が免除因子

アテローム性動脈硬化の原因となる四大危険因子といわれるのが、「高血圧」「高脂血症(脂質異常症)」「糖尿病」「喫煙」です。そのほかにも、「肥満」や「運動不足」「ストレス」「A型行動パターン」などが、アテローム性動脈硬化を早める危険因子となります。

A型行動パターンとは、凡帳面で責任感が強く、何事も完璧にやろうとする行動パターンを取る人です。狭心症や心筋梗塞は、A型行動パターンの人に圧倒的に多いといわれています。

完壁に仕事を成し遂げようとするため、常にストレスにさらされ、血圧も上がり、動脈硬化を生じやすくさせるためでしょう。
動脈硬化がある程度進行している場合には、たとえ血液がサラサラでも、血管内で血栓が作られます。したがって、動脈硬化を防ぐこと、ないしは動脈硬化でできてしまったプラークを安定化させて壊れにくくし、血栓ができないように保つことこそが重要なのです。

ここで少し、「プラークの安定化」について説明しましょう。プラークには、血圧上昇などの刺激によって崩れにくいものと、容易に崩れて血栓を作るものがあります。

前者を安定プラーク、後者を不安定プラークといいます。生活習慣病や喫煙の影響を受けると、プラークを覆う皮膜が薄く崩れやすい不安定プラークとなります。

一方、生活習慣を改善して適切な治療を行うと、プラークを覆う皮膜が崩れにくい状態、安定プラークへと変化するのです。

プラークを安定化させるための生活習慣の改善とは、具体的には食生活の改善、禁煙、適度な運動などです。食生活では、果物と野菜、低脂肪乳製品を多くとる「DASH食」をお勧めします。

DASHとは「高血圧を予防するための食事からのアプローチ」の英語表記の略です。高血圧者と健常者のために作られた食事で、4ヶ所のアメリカの大学や、研究所における実験で、その効果が実証されています。

A型行動パターンの人には、ストレスをため込まずに気分転換などで軽減させることも大切です。好きな音楽を聴いたり、散歩やぬるめの湯(38~40度) での入浴なども、緊張感を和らげてくれます。半身浴です。

ただし、入浴時間は15分以内で、上半身・がうっすらと汗ばむ程度がいいでしょう。このような生活習慣の改善は、糖尿病や高血圧、高脂血症などといった動脈硬化の危険因子もなくして、血液サラサラにもつながります。

また最近では、血管拡張の効果が確認されている一酸化窒素エヌオー(NO)を体内で産生する、アミノ酸の一種であるL-アルギニンを食品としてとると、心筋梗塞や脳梗塞の予防になるといわれています。

血管の若返り 血管を押し広げ血流を改善する「“NO”」 | 健康メモ

また、牛乳成分由来の天然成分LTP(ラクトトリベプチド)も、動脈硬化の進行をおさえるのに有効という研究もあります。こういった、健康食品も積極的にとり入れると、健康的な生活が送れるでしょう。

全身の7割の血管を柔軟にして動脈硬化を予防する「1分血管ストレッチ」

乾燥肌や冷えやむくみは血流障書のサイン

動脈硬化は、中高年以上だけに起こるものではありません。実際には、若くても動脈硬化が見られる人が多くいます。

あなたの血管は大丈夫でしょうか? まずは以下のチェックテストで確かめてみてください。いかがでしたか?

血管の状態チェック

  • 肩が凝る
  • 乾燥肌
  • 髪の毛が細くなったまたはぱさつく
  • 耳鳴りがする
  • めまいを起こす
  • 夕方になると見えにくい
  • 目の下にクマがある
  • 肌の色がくすんでいる
  • 爪の色がよくない
  • 手の指先が冷たい
  • 人の名前がでてこない
  • 足がむくむことがある
  • 早足で歩くと息切れがする
  • 階段を上ると動悸がする

ここで挙げた項目は、いずれも細胞に酸素と栄養素が行き届いていないことによって起こる症状です。
細胞に酸素と栄養素を届けるのは血液です。つまり、これらの症状が思い当たる人は、血流障害が起こつている可能性が考えられるのです。

私たちの体を畑と用水路にたとえて話をしましょう。畑が細胞だとしたら、用水路はそこに水(血液)を送る血管です。用水路が詰まると、畑には水が供給されず干からびてしまいます。

また、詰まりがなくても水の量が少ないと、やはり畑細胞に酸素と栄養素を届けるのは血液です。つまり、これらの症状が思い当たる人は、血流障害が起こっている可能性が考えられるのです。

体に置き換えると、血液が十分に行き渡らないため、酸素と栄養素が不足して、細胞が干からびてしまうということです。その結果、肌が乾燥したり、冷えやむくみ、目の下のクマ、肩こりが生じたり、脳への血流が不足すると物忘れ、心臓への血流が不足すると少し階段を上っただけで動悸や息切れがするなど、さまざまな機能低下が起こつてくるのです。

それだけで済めばよいのですが、血流障害を放っておくと、いずれは脳梗塞、心筋梗塞(脳や心臓の血管が詰まる病気) などにもつながりかねません。

硬くなった血管を伸ばして柔軟にする

血流障害を起こさないためには、動脈硬化を防ぎ、血管を若く保つことが重要です。細胞に酸素と栄養素を届ける大切な用水路(血管)の長さは、なんと10万km、地球2周半です。

動脈硬化とは、読んで字のごとく、この血管が硬くなっている状態です。ですから、血管を柔らかくする必要があるのです。血管の周りは弾性線維(血管壁に含まれる結合組織で弾力性に富む)が取り巻いています。

これをタテに伸ばすことで、血管を柔らかくすることができます。風船を膨らませるとき、ゴムを引っ張って柔らかくしますよね? あのイメージです。血管は筋肉と一緒に走っているので、筋肉を伸ばすことで、血管も一緒に伸ばすことができます。

そこで、私がお勧めしているのが、「血管ストレッチ」です。血管ストレッチは、両足を問いて立ち、両手をパーに問いてバンザイの要領で手を上げ、体を伸ばす体操です。

手を伸ばすときに息を吸い、腕を下ろすときに息を吐くようにすると、なおよいでしょう。もう少しできる人は、バンザイをして手首を反対の手でつかみ、体をゆっくり左右交互に伸ばします。

硬くなった血管は断裂しやすいので、体を横に倒すときはラベルを慎重にはがすような気持ちで、ゆっくり行いましょう。たったこれだけのストレッチで、全身の7割ぐらいの筋肉が伸びます。と同時に、体の7潮の血管(7万血)も伸びて柔らかくなります。

例えば、自転車は乗らなかったら、タイヤが劣化し硬くなってヒビ謝れてしまいます。逆に、走り過ぎても傷んでしまいます。

長持ちさせる秘訣は、毎日少しずつ動かすことです。血管も同様で、毎日適度に動かして柔らかくしておくことが、長持ちさせるためにはとても大切なのです。

毎日少しずつというのは、無理なく続けられるという意味でも重要なポイントです。血管ストレッチは、がんばらなくても短時間で、どこででもできることが魅力です。

血液がサラサラになり血管も詰まりにくくなる

血管ストレッチを行うと、血管の中を流れる血液の量(血流量)が多くなります。すると、血管壁の内側にある内皮細胞から、一酸化窒素(NO)とプロスタサイクリンという物質が分泌されます。これらは血液をサラサラにして、血管を詰まりにくくすることに役立ちます。

心拍数を上げると血流量はさらにアップするため、血管ストレッチとともに軽い運動を併用することも有効です。とはいえ、ハードな運動をする必要はありません。少し息が上がる程度で十分です。私は、足を前後に問いて軽くひざを曲げ、上下にリズムをとりながら腕を振る「腕振り体操」をお勧めしています。毎日少しの心掛けで、血管の老化は遅らせることができます。病気を未然に防ぎましょう

ふくらはぎを刺激して全身の血流を促し動脈硬化に効く「かかとの上下体操」

動脈硬化の進行は生活習慣でまったく異なる

動脈硬化はなぜ起こるのでしょうか。その最大の原因は、加齢です。動脈硬化を高齢者の病気だと思っている人もいるかもしれませんが、そうではありません。

動脈硬化は、生まれたときから始まっています。この世に生を受けた瞬間から、心臓は休む間もなく動き続け、動脈は全身に血液を送っています。

ですから、動脈は年齢を重ねるほど疲弊し、硬くなっていくのです。40歳を過ぎるころにはどんな人の血管も多かれ少なかれ動脈硬化が起きています。それに拍車をかけるのが、生活習慣です。

脂肪の多い食事や運動不足、喫煙などによって血管にプラークがたまると、血管の内腔が狭くなったり血栓ができたりして、動脈硬化は悪化します。

生活習慣の健康への影響は、沖縄を見るとよくわかります。沖縄は、かつては世界的に有名な長寿県でした。ところが、2000年に男性の平均寿命が全国4位から26位に転落して以降、肥満率は男女ともに全国一。

男性の65歳未満の死亡率もトップです。この背景には、生活習慣の変化があります。伝統的な沖縄の食事から欧米食への急速な移行と、車社会による運動不足が、沖縄の人たちの健康状態をこれだけ変えてしまったのです。

足のむくみが改善しウェストも細くなった

ですから、動脈硬化を防ぐには、なによりも食事に気を付けて、よく歩くことが大事です。加えて、私がお勧めしているのが「かかとの上下体操」です。これは、かかとを上げたり下げたりする、簡単な体操です。次の3つの作用によって、効率的に足の血流を改善します。

  1. 足の血液量を増やす
    足の筋肉は動いていないときはあまり血流を必要としませんが、歩いたり走ったりするとたくさんの血液が必要になります。かかとの上下体操でふくらはぎの筋肉を使うと、それだけで足の血流が増えます。
  2. 心臓に血液が戻りやすくなる
    足の筋肉(主にふくらはぎ)には、重力によって下にたまった血液を心臓に戻す働きがあります。かかとの上下体操を行うと、ふくらはぎの筋肉がポンプのよように働いて、たまった血液を上に押し流します。
  3. 一酸化窒素(NO)が増えて血涜がよくなる
    静脈の内側の内皮細胞からは、血管を拡張したり血液を固まりにくくするNOが産生されます。かかとの上下体操で血管内皮が刺激されると、NOの産生が高まり血流がよくなります。
    NOをたっぷり効率よく分泌させる3つの方法

足の血流がよくなれば、むくみや間歇性跛行(しばらく歩くと足が痛くなり歩けなくなるが、少し休むと痛みが止まるとかしいう症状)のような下肢の症状が改善し、全身の血流もよくなります。かかとの上下体操を毎日行い、ウェストが細くなった女性(60代)もいます。私もそこまでの効果は考えていませんでしたが、ふくらはぎだけでなく腹筋も使われて、おなかが引き締まったのでしょう。かかとの上下体操は、いつ行っても構いませんが、朝晩、30回ずつ行うといいでしょう。

おいしくて塩分カットが可能になる「牛乳を使った減塩術」

塩分を減らしてもまったく薄味にならない

塩分の取り過ぎが血管によくないことは、周知の事実です。高血圧の最大の原因は、塩分の取り過ぎといわれています。
高血圧は、日本人がなる生活習慣病の中で最も多い疾患で、今や日本人の3人に1人が高血圧です。

それだけ、塩分を過剰摂取している人が多いということでしょう。でも、これは見方を変えれば、減塩が高血圧の改善と予防につながるということです。

実際、血圧に悩む人は、減塩や薄味を医師や家族から言われた経験があるでしょう。でも、上手に減塩できていますか?
人生において食事は大きな楽しみであるのに、薄味で「おいしくないな」と思いながら食べるのは、残念なことですよね。それで減塩を続けられない人も多いのではないでしょうか。そんな経験をお持ちの人にぜ牛乳やヨーグルトなどの乳製品を使ったオリジナル料理の開発に取り組んできた経験から生まれた減塩料理です。

実は私も、昔は「減塩」=「薄味」と考えていました。でも、数年前に、乳製品を和食に使えば、料理の味が濃くなって、塩分を減らしてもまったく薄味にならないことに気づいたのです。

例えば、牛乳にはうま味成分があるので、加えることでうま味が増し、味が濃くなるため、塩分が少ないほうがおいしく仕上がるのです。
牛乳の栄養も加わります。さらに、乳製品そのものにも降圧作用があります。

牛乳やヨーグルトに含まれるたんばく質に降庄作用があることはよく知られており、実際、牛乳の摂取量が多い人ほど血圧が低いという調査報告もあるのです。ですから乳和食は、まさに一石で二鳥も三鳥も狙える減塩料理といゝえます。

病院食としても取り入れられている

乳製品を足して塩分を減らす「ちょい足し」が基本なので、調理方法は、これまでのものとほとんど変わりません。現在は病院食として取り入れている病院もあり、「味がちゃんとするおいしい食事」と入院患者さんたちにも好評です。

乳和食のメニューを取り入れた日は残食(病院食の残り) が少ないと、病院の栄養士さんに問いたこともあります。もちろん、乳和食はご家簡単に作れます。

最も簡単で、講演会などでも入門編として私が必ず紹介するのが、「ミルク納豆」です。ミルク納豆と聞くと「まずそう」と思われる人がいらっしゃるでしょう。ただ、どちらも家にある素材ですし、添付のたれやからしの量を半分にして、牛乳を足すだけです。だまされたと思って挑戦してみてください。

意外なおいしさに驚かれるはずです。納豆のネバネバがふわっとして、納豆の独特なにおいも和らぎます。そして、味わいはそのまま、減塩したとは思えないうまみが残っています。もともとのたれの量にもよりますが、このミルク納豆で、0.5g程度の減塩が可能になります。

減塩は日々の積み重ねです。

味噌にヨーグルトを加えるのがおすすめ

また、ミルク納豆と合わせてお勧めしたいのが、「ヨーグルトみそ汁」です。普段作るみそ汁の大さじ1杯分のみそを減らして、大さじ1のプレーンヨーグルトを加えます。インスタントみそ汁なら、みそを半量減らし、減らした分と同量のヨーグルトを加えて混ぜましょう。

みそとヨーグルトはどちらも発酵食品なので、実は相性がいい取り合わせなのです。ヨーグルトのさわやかな酸味がみそに溶け合い、絶妙なおいしさを作ります。

乳和食は素材を選びません。納豆、みそ汁と並んだら、次に欲しいのが漬け物でしょう。一般的な漬け物は、減塩といっても食べる前に軽く水ですすぐくらいしかなく、食べる量を減らすしかないのですが、それでも塩分がかなり残ります。

そこでヨーグルトの上澄みである乳清(ホエイ)を使ったピクルスに変えてみましょう。

さらに、そうめんやそばのつけつゆなら、市販の濃縮めんつゆを水ではなくミルクで割ります。これだけで、めんつゆの量をいつもの半量に減らすことができます。

【体験談】頑固でなかなか下がらなかった血圧がL-シトルリンで正常化

薬よりも強い作用で血栓を溶かし血液サラサラ「ナットウキナーゼ」のすごい力

納豆の酵素は薬よりも血栓を溶かす作用が強い

私たち日本人にとってなじみ深い発酵食品・納豆には、血管内にできた血栓を溶かす効果があることが知られています。これは、納豆に含まれる「ナットウキナーゼ」という酵素の働きによるものです。
ナットウキナーゼで血栓症を予防

血栓とは、血管内にできる血の塊のこと。脳梗塞や心筋梗塞は、この血栓が血管を詰まらせることで発症します。皮膚に傷がつくと、かさぶたができて傷口がふさがります。

これは、体が血液を固めて傷口を修復するためです。これと同様に、血管の内部に小さな傷ができたときも、血液が凝固して血管内の傷口が修復されます。

この血の塊は、主に「フィプリン」というたんばく質によってできています。健康な状態であれば、血管の傷が修復されると、体は血栓を溶かす酵素を分泌してフィプリンを溶かします。しかし、加齢やストレスなどの影響でこの働きが衰えると、フィプリンが溶けきれずに、血の塊(血栓)が残り、血管を詰まらせてしまうのです。

納豆に含まれるナットウキナーゼには、この血栓の主成分であるフィプリンを溶かす働きがあります。ナットウキナーゼは、1980年に日本人の研究者によって発見されました。

その後、現在にいたるまで、ナットウキナーゼは世界中で研究が進められています。その中には、脳梗塞などの緊急時に用いられ血栓溶解薬よりも、ナットウキナーゼのほうが血栓溶解作用が強いという報告もあります。

できた血栓を溶かす食品は納豆だけ

ナットウキナーゼに関する研究・臨床試験を行われています。シャーレの中で人工的に培養した血栓の成分を使い、ナットウキナーゼの働きを確認したのです。

このときは、ナットウキナーゼが3時間ほどで血栓の成分を溶かす様子が目で確認できました。血液の凝固を抑制し、血液をサラサラにする働きのある食品としては、タマネギなども知られています。

しかし、できてしまった血栓を溶かす働きのある食品は、今のところ納豆しか確認できていません。ちなみに、納豆の血液サラサラ効果を十分に得るには、食べ方にコツがあります。

血栓は血液中の水分が不足する睡眠時にできやすいとされています。ナットウキナーゼの血栓溶解効果の持続時問は8~10時間ですから、納豆は夕食時に取るのがお勧めです。

また、ナットウキナーゼは熱に弱いため、加熱調理は避けたほうがよいでしょう。納豆汁などは不向きです。健康な人、予防的に血液をサラサラにしたい人はぜひ納豆を食べてほしいと思いますが、一方で、納豆が向かない人もいます。

例えば、血栓症の既往歴があり、血液を固まりにくくする薬「ワルファリン」を処方されている人は、医師に納豆を避けるように言われているはずです。

これは、納豆に豊富に含まれるビタミンKがワルファリンの働きを弱めてしまうからです。また、納豆はプリン体が多いため、痛風患者は避けたほうがいいされます。

カリウムも多く、重い腎臓病の人にもお勧めできません。納豆独特の匂いや粘りが苦手な人もいるでしょう。そのような人は、ナットウキナーゼだけを抽出した健康食品を利用するのもいいでしょう。

ナットウキナーゼだけあれば、ワルファリンの働きを弱めることもありません。
濃縮納豆はちら。

血圧を上げる酵素の働きを抑える

心臓血管病を患い、ワルファリンを服用している60人の方の協力を得て、ナットウキナーゼの効果を確認したことがあります。この臨床試験では、ナットウキナーゼの健康食品を併用しても、ワルファリンは安定して働くことが確認できました。

現在では、狭心症や心筋梗塞、手術で心臓に弁を入れた患者さんなどにも、ナットウキナーゼの健康食品の併用を勧めています。その結果、皆さん安定した効果を得ることができており、今のところ、副作用の報告もありません。

近年では、ナットウキナーゼはフィプリンを直接溶かすだけでなく、体内で血栓溶解酵素を作る細胞を増やしたり、血圧を上昇させる酵素の働きを抑えたりする働きがあるという報告もあります。

血管内の血栓が溶ければ、脳梗塞や心筋梗塞などの予防につながります。また、血液の流れがよくなれば高血圧などの改善も期待できます。

納豆は、発酵食品という性格上、商品によって含まれるナットウキナーゼの量は異なります。毎日安定してナットウキナーゼを取りたい人は、サプリメントなどの健康食品の利用がお勧めです。

この場合、他の成分を含まない、ナットウキナーゼ単体の健康食品を選ぶと、効果を実感しやすくなります。