全身の7割の血管を柔軟にして動脈硬化を予防する「1分血管ストレッチ」

乾燥肌や冷えやむくみは血流障書のサイン

動脈硬化は、中高年以上だけに起こるものではありません。実際には、若くても動脈硬化が見られる人が多くいます。

あなたの血管は大丈夫でしょうか? まずは以下のチェックテストで確かめてみてください。いかがでしたか?

血管の状態チェック

  • 肩が凝る
  • 乾燥肌
  • 髪の毛が細くなったまたはぱさつく
  • 耳鳴りがする
  • めまいを起こす
  • 夕方になると見えにくい
  • 目の下にクマがある
  • 肌の色がくすんでいる
  • 爪の色がよくない
  • 手の指先が冷たい
  • 人の名前がでてこない
  • 足がむくむことがある
  • 早足で歩くと息切れがする
  • 階段を上ると動悸がする

ここで挙げた項目は、いずれも細胞に酸素と栄養素が行き届いていないことによって起こる症状です。
細胞に酸素と栄養素を届けるのは血液です。つまり、これらの症状が思い当たる人は、血流障害が起こつている可能性が考えられるのです。

私たちの体を畑と用水路にたとえて話をしましょう。畑が細胞だとしたら、用水路はそこに水(血液)を送る血管です。用水路が詰まると、畑には水が供給されず干からびてしまいます。

また、詰まりがなくても水の量が少ないと、やはり畑細胞に酸素と栄養素を届けるのは血液です。つまり、これらの症状が思い当たる人は、血流障害が起こっている可能性が考えられるのです。

体に置き換えると、血液が十分に行き渡らないため、酸素と栄養素が不足して、細胞が干からびてしまうということです。その結果、肌が乾燥したり、冷えやむくみ、目の下のクマ、肩こりが生じたり、脳への血流が不足すると物忘れ、心臓への血流が不足すると少し階段を上っただけで動悸や息切れがするなど、さまざまな機能低下が起こつてくるのです。

それだけで済めばよいのですが、血流障害を放っておくと、いずれは脳梗塞、心筋梗塞(脳や心臓の血管が詰まる病気) などにもつながりかねません。

硬くなった血管を伸ばして柔軟にする

血流障害を起こさないためには、動脈硬化を防ぎ、血管を若く保つことが重要です。細胞に酸素と栄養素を届ける大切な用水路(血管)の長さは、なんと10万km、地球2周半です。

動脈硬化とは、読んで字のごとく、この血管が硬くなっている状態です。ですから、血管を柔らかくする必要があるのです。血管の周りは弾性線維(血管壁に含まれる結合組織で弾力性に富む)が取り巻いています。

これをタテに伸ばすことで、血管を柔らかくすることができます。風船を膨らませるとき、ゴムを引っ張って柔らかくしますよね? あのイメージです。血管は筋肉と一緒に走っているので、筋肉を伸ばすことで、血管も一緒に伸ばすことができます。

そこで、私がお勧めしているのが、「血管ストレッチ」です。血管ストレッチは、両足を問いて立ち、両手をパーに問いてバンザイの要領で手を上げ、体を伸ばす体操です。

手を伸ばすときに息を吸い、腕を下ろすときに息を吐くようにすると、なおよいでしょう。もう少しできる人は、バンザイをして手首を反対の手でつかみ、体をゆっくり左右交互に伸ばします。

硬くなった血管は断裂しやすいので、体を横に倒すときはラベルを慎重にはがすような気持ちで、ゆっくり行いましょう。たったこれだけのストレッチで、全身の7割ぐらいの筋肉が伸びます。と同時に、体の7潮の血管(7万血)も伸びて柔らかくなります。

例えば、自転車は乗らなかったら、タイヤが劣化し硬くなってヒビ謝れてしまいます。逆に、走り過ぎても傷んでしまいます。

長持ちさせる秘訣は、毎日少しずつ動かすことです。血管も同様で、毎日適度に動かして柔らかくしておくことが、長持ちさせるためにはとても大切なのです。

毎日少しずつというのは、無理なく続けられるという意味でも重要なポイントです。血管ストレッチは、がんばらなくても短時間で、どこででもできることが魅力です。

血液がサラサラになり血管も詰まりにくくなる

血管ストレッチを行うと、血管の中を流れる血液の量(血流量)が多くなります。すると、血管壁の内側にある内皮細胞から、一酸化窒素(NO)とプロスタサイクリンという物質が分泌されます。これらは血液をサラサラにして、血管を詰まりにくくすることに役立ちます。

心拍数を上げると血流量はさらにアップするため、血管ストレッチとともに軽い運動を併用することも有効です。とはいえ、ハードな運動をする必要はありません。少し息が上がる程度で十分です。私は、足を前後に問いて軽くひざを曲げ、上下にリズムをとりながら腕を振る「腕振り体操」をお勧めしています。毎日少しの心掛けで、血管の老化は遅らせることができます。病気を未然に防ぎましょう

ふくらはぎを刺激して全身の血流を促し動脈硬化に効く「かかとの上下体操」

動脈硬化の進行は生活習慣でまったく異なる

動脈硬化はなぜ起こるのでしょうか。その最大の原因は、加齢です。動脈硬化を高齢者の病気だと思っている人もいるかもしれませんが、そうではありません。

動脈硬化は、生まれたときから始まっています。この世に生を受けた瞬間から、心臓は休む間もなく動き続け、動脈は全身に血液を送っています。

ですから、動脈は年齢を重ねるほど疲弊し、硬くなっていくのです。40歳を過ぎるころにはどんな人の血管も多かれ少なかれ動脈硬化が起きています。それに拍車をかけるのが、生活習慣です。

脂肪の多い食事や運動不足、喫煙などによって血管にプラークがたまると、血管の内腔が狭くなったり血栓ができたりして、動脈硬化は悪化します。

生活習慣の健康への影響は、沖縄を見るとよくわかります。沖縄は、かつては世界的に有名な長寿県でした。ところが、2000年に男性の平均寿命が全国4位から26位に転落して以降、肥満率は男女ともに全国一。

男性の65歳未満の死亡率もトップです。この背景には、生活習慣の変化があります。伝統的な沖縄の食事から欧米食への急速な移行と、車社会による運動不足が、沖縄の人たちの健康状態をこれだけ変えてしまったのです。

足のむくみが改善しウェストも細くなった

ですから、動脈硬化を防ぐには、なによりも食事に気を付けて、よく歩くことが大事です。加えて、私がお勧めしているのが「かかとの上下体操」です。これは、かかとを上げたり下げたりする、簡単な体操です。次の3つの作用によって、効率的に足の血流を改善します。

  1. 足の血液量を増やす
    足の筋肉は動いていないときはあまり血流を必要としませんが、歩いたり走ったりするとたくさんの血液が必要になります。かかとの上下体操でふくらはぎの筋肉を使うと、それだけで足の血流が増えます。
  2. 心臓に血液が戻りやすくなる
    足の筋肉(主にふくらはぎ)には、重力によって下にたまった血液を心臓に戻す働きがあります。かかとの上下体操を行うと、ふくらはぎの筋肉がポンプのよように働いて、たまった血液を上に押し流します。
  3. 一酸化窒素(NO)が増えて血涜がよくなる
    静脈の内側の内皮細胞からは、血管を拡張したり血液を固まりにくくするNOが産生されます。かかとの上下体操で血管内皮が刺激されると、NOの産生が高まり血流がよくなります。
    NOをたっぷり効率よく分泌させる3つの方法

足の血流がよくなれば、むくみや間歇性跛行(しばらく歩くと足が痛くなり歩けなくなるが、少し休むと痛みが止まるとかしいう症状)のような下肢の症状が改善し、全身の血流もよくなります。かかとの上下体操を毎日行い、ウェストが細くなった女性(60代)もいます。私もそこまでの効果は考えていませんでしたが、ふくらはぎだけでなく腹筋も使われて、おなかが引き締まったのでしょう。かかとの上下体操は、いつ行っても構いませんが、朝晩、30回ずつ行うといいでしょう。

おいしくて塩分カットが可能になる「牛乳を使った減塩術」

塩分を減らしてもまったく薄味にならない

塩分の取り過ぎが血管によくないことは、周知の事実です。高血圧の最大の原因は、塩分の取り過ぎといわれています。
高血圧は、日本人がなる生活習慣病の中で最も多い疾患で、今や日本人の3人に1人が高血圧です。

それだけ、塩分を過剰摂取している人が多いということでしょう。でも、これは見方を変えれば、減塩が高血圧の改善と予防につながるということです。

実際、血圧に悩む人は、減塩や薄味を医師や家族から言われた経験があるでしょう。でも、上手に減塩できていますか?
人生において食事は大きな楽しみであるのに、薄味で「おいしくないな」と思いながら食べるのは、残念なことですよね。それで減塩を続けられない人も多いのではないでしょうか。そんな経験をお持ちの人にぜ牛乳やヨーグルトなどの乳製品を使ったオリジナル料理の開発に取り組んできた経験から生まれた減塩料理です。

実は私も、昔は「減塩」=「薄味」と考えていました。でも、数年前に、乳製品を和食に使えば、料理の味が濃くなって、塩分を減らしてもまったく薄味にならないことに気づいたのです。

例えば、牛乳にはうま味成分があるので、加えることでうま味が増し、味が濃くなるため、塩分が少ないほうがおいしく仕上がるのです。
牛乳の栄養も加わります。さらに、乳製品そのものにも降圧作用があります。

牛乳やヨーグルトに含まれるたんばく質に降庄作用があることはよく知られており、実際、牛乳の摂取量が多い人ほど血圧が低いという調査報告もあるのです。ですから乳和食は、まさに一石で二鳥も三鳥も狙える減塩料理といゝえます。

病院食としても取り入れられている

乳製品を足して塩分を減らす「ちょい足し」が基本なので、調理方法は、これまでのものとほとんど変わりません。現在は病院食として取り入れている病院もあり、「味がちゃんとするおいしい食事」と入院患者さんたちにも好評です。

乳和食のメニューを取り入れた日は残食(病院食の残り) が少ないと、病院の栄養士さんに問いたこともあります。もちろん、乳和食はご家簡単に作れます。

最も簡単で、講演会などでも入門編として私が必ず紹介するのが、「ミルク納豆」です。ミルク納豆と聞くと「まずそう」と思われる人がいらっしゃるでしょう。ただ、どちらも家にある素材ですし、添付のたれやからしの量を半分にして、牛乳を足すだけです。だまされたと思って挑戦してみてください。

意外なおいしさに驚かれるはずです。納豆のネバネバがふわっとして、納豆の独特なにおいも和らぎます。そして、味わいはそのまま、減塩したとは思えないうまみが残っています。もともとのたれの量にもよりますが、このミルク納豆で、0.5g程度の減塩が可能になります。

減塩は日々の積み重ねです。

味噌にヨーグルトを加えるのがおすすめ

また、ミルク納豆と合わせてお勧めしたいのが、「ヨーグルトみそ汁」です。普段作るみそ汁の大さじ1杯分のみそを減らして、大さじ1のプレーンヨーグルトを加えます。インスタントみそ汁なら、みそを半量減らし、減らした分と同量のヨーグルトを加えて混ぜましょう。

みそとヨーグルトはどちらも発酵食品なので、実は相性がいい取り合わせなのです。ヨーグルトのさわやかな酸味がみそに溶け合い、絶妙なおいしさを作ります。

乳和食は素材を選びません。納豆、みそ汁と並んだら、次に欲しいのが漬け物でしょう。一般的な漬け物は、減塩といっても食べる前に軽く水ですすぐくらいしかなく、食べる量を減らすしかないのですが、それでも塩分がかなり残ります。

そこでヨーグルトの上澄みである乳清(ホエイ)を使ったピクルスに変えてみましょう。

さらに、そうめんやそばのつけつゆなら、市販の濃縮めんつゆを水ではなくミルクで割ります。これだけで、めんつゆの量をいつもの半量に減らすことができます。

【体験談】頑固でなかなか下がらなかった血圧がL-シトルリンで正常化

薬よりも強い作用で血栓を溶かし血液サラサラ「ナットウキナーゼ」のすごい力

納豆の酵素は薬よりも血栓を溶かす作用が強い

私たち日本人にとってなじみ深い発酵食品・納豆には、血管内にできた血栓を溶かす効果があることが知られています。これは、納豆に含まれる「ナットウキナーゼ」という酵素の働きによるものです。
ナットウキナーゼで血栓症を予防

血栓とは、血管内にできる血の塊のこと。脳梗塞や心筋梗塞は、この血栓が血管を詰まらせることで発症します。皮膚に傷がつくと、かさぶたができて傷口がふさがります。

これは、体が血液を固めて傷口を修復するためです。これと同様に、血管の内部に小さな傷ができたときも、血液が凝固して血管内の傷口が修復されます。

この血の塊は、主に「フィプリン」というたんばく質によってできています。健康な状態であれば、血管の傷が修復されると、体は血栓を溶かす酵素を分泌してフィプリンを溶かします。しかし、加齢やストレスなどの影響でこの働きが衰えると、フィプリンが溶けきれずに、血の塊(血栓)が残り、血管を詰まらせてしまうのです。

納豆に含まれるナットウキナーゼには、この血栓の主成分であるフィプリンを溶かす働きがあります。ナットウキナーゼは、1980年に日本人の研究者によって発見されました。

その後、現在にいたるまで、ナットウキナーゼは世界中で研究が進められています。その中には、脳梗塞などの緊急時に用いられ血栓溶解薬よりも、ナットウキナーゼのほうが血栓溶解作用が強いという報告もあります。

できた血栓を溶かす食品は納豆だけ

ナットウキナーゼに関する研究・臨床試験を行われています。シャーレの中で人工的に培養した血栓の成分を使い、ナットウキナーゼの働きを確認したのです。

このときは、ナットウキナーゼが3時間ほどで血栓の成分を溶かす様子が目で確認できました。血液の凝固を抑制し、血液をサラサラにする働きのある食品としては、タマネギなども知られています。

しかし、できてしまった血栓を溶かす働きのある食品は、今のところ納豆しか確認できていません。ちなみに、納豆の血液サラサラ効果を十分に得るには、食べ方にコツがあります。

血栓は血液中の水分が不足する睡眠時にできやすいとされています。ナットウキナーゼの血栓溶解効果の持続時問は8~10時間ですから、納豆は夕食時に取るのがお勧めです。

また、ナットウキナーゼは熱に弱いため、加熱調理は避けたほうがよいでしょう。納豆汁などは不向きです。健康な人、予防的に血液をサラサラにしたい人はぜひ納豆を食べてほしいと思いますが、一方で、納豆が向かない人もいます。

例えば、血栓症の既往歴があり、血液を固まりにくくする薬「ワルファリン」を処方されている人は、医師に納豆を避けるように言われているはずです。

これは、納豆に豊富に含まれるビタミンKがワルファリンの働きを弱めてしまうからです。また、納豆はプリン体が多いため、痛風患者は避けたほうがいいされます。

カリウムも多く、重い腎臓病の人にもお勧めできません。納豆独特の匂いや粘りが苦手な人もいるでしょう。そのような人は、ナットウキナーゼだけを抽出した健康食品を利用するのもいいでしょう。

ナットウキナーゼだけあれば、ワルファリンの働きを弱めることもありません。
濃縮納豆はちら。

血圧を上げる酵素の働きを抑える

心臓血管病を患い、ワルファリンを服用している60人の方の協力を得て、ナットウキナーゼの効果を確認したことがあります。この臨床試験では、ナットウキナーゼの健康食品を併用しても、ワルファリンは安定して働くことが確認できました。

現在では、狭心症や心筋梗塞、手術で心臓に弁を入れた患者さんなどにも、ナットウキナーゼの健康食品の併用を勧めています。その結果、皆さん安定した効果を得ることができており、今のところ、副作用の報告もありません。

近年では、ナットウキナーゼはフィプリンを直接溶かすだけでなく、体内で血栓溶解酵素を作る細胞を増やしたり、血圧を上昇させる酵素の働きを抑えたりする働きがあるという報告もあります。

血管内の血栓が溶ければ、脳梗塞や心筋梗塞などの予防につながります。また、血液の流れがよくなれば高血圧などの改善も期待できます。

納豆は、発酵食品という性格上、商品によって含まれるナットウキナーゼの量は異なります。毎日安定してナットウキナーゼを取りたい人は、サプリメントなどの健康食品の利用がお勧めです。

この場合、他の成分を含まない、ナットウキナーゼ単体の健康食品を選ぶと、効果を実感しやすくなります。

ヘモグロビンA1Cや血糖値を下げて血管を強力に守るl日5杯の緑茶習慣

ヘモグロビンA1Cが2ヶ月でグンと下がった

日本の文化ともいえる緑茶。普段から何気なく飲んでいる人も多いかもしれませんが、緑茶には、カテキン、テニアン、ピタミンC、ビタミンE、ベータカロチンなど、健康効果が期待される成分が数多く含まれています。
緑茶のコレステロール調整作用

最近の研究ではポリフェノールの一種であるカテキンに、血糖値の上昇を抑える作用があることもわかってきました。糖尿病にならないためには、食べ過ぎずにインスリンの働きに見合った量の食事をすること、そして、血糖値を急激に上げないことが大切です。

そこで、緑茶に豊富に含まれるカテキンが注目されているのです。カテキンには、糖質の消化吸収を遅らせる働きがあることから、急激な血糖値の上昇が抑えられます。

ですから、食後に緑茶を飲んだり、甘いものを食べるとき緑茶を飲むのは、糖質の消化吸収を遅らせるという点で、とても理にかなった習慣なのです。

静岡県立大学の研究によると、緑茶を1日に7杯ほど飲んだら、ヘモグロビンA1Cの値が改善されたことが報告されています。平均6.2% だったヘモグロビンA1Cが、2ヶ月後には5.9%に下がったというのです。

高血糖にならなければ、血管を傷つける大きな要因を回避することができます。動脈硬化の進展を遅らせることに直結するのです。

緑茶のカテキンで中性脂肪も減少する

また、カテキンには、中性脂肪を減らす作用があることもわかっています。血液中の過剰な中性脂肪は、善玉コレステロール(HDLコレステロール) を減少させます。善玉コレステロールは、血液中にたまった悪玉コレステロール(LDLコレステロール)を肝臓に運び込む働きするので、減少すると血液中の悪玉コレステロールが増加してしまいます。

さらに、中性脂肪が多いと、悪玉コレステロールが小型化して、「超悪玉コレステロール」になります。超悪玉コレステロールはサイズが非常に小さいため、血管壁の中へ入り込みやすく、酸化もされやすいので、血管を容易に傷つけて、動脈硬化を進行させます。

血液中の中性脂肪が増える原因は、炭水化物の取り過ぎと運動不足です。高中性脂肪血症の人は、炭水化物を少し控えて、ウォーキングなど軽い運動の継続をお勧めします。加えて、緑茶を習慣的に飲むようにしましょう。

温度で引き出される成分が変わる

このように、さまざまな側面から血管を守ってくれる緑茶ですが、お勧めの飲み方があります。緑茶からカテキンを上手に引き出すには、80度以上の熱いお湯で入れるのがコツです。

カテキンは緑茶の渋み成分です。ご存じのように、熱い湯で緑茶を入れると渋みが強くなります。つまり、カテキンがよく溶け出たお茶ということです。

また、コーヒーほどではありませんが、緑茶にも覚醒作用のあるカフェインが含まれています。熱い湯で入れたお茶はカフェインが豊富なので、朝に飲むとシャキッとします。

一方で、低温の湯でじっくりお茶を入れると、緑茶のうま味成分である「テアニン」が溶け出します。このテアニンにも、血管を守る効果があります。テアニンは副交感神経に働きかけ、心身をリラックスした状態にします。そして、副交感神経が優位になることによって、血圧が下がります。高血圧が改善されると、血管への負担が軽減し、血管の状態をよくすることにつながります。

テアニンは、新芽や新茶、あるいは玉露のように覆いをして栽培した茶葉に多く含まれます。また、最近では、うま味( =テアニン)をより引き出す入れ方として、水出し緑茶も人気です。寝る前に、ぬるま湯か水でじっくり入れた緑茶を飲むと、テアニンの効果で眠りやすくなるでしょう。

明るいうちはシャキッと覚醒するカテキン豊富な熱いお茶を、夜は眠りに導き血圧を下げるテアニン豊富な水出し緑茶を飲むのがお勧めです。静岡県立大学のヘモグロビンAI Cが下がったという研究結果は、1日7杯の緑茶によるものでしたが、まずは3食の後と食問などで、1日にトータル5杯程度の緑茶を飲むように心がけてみましょう。これでも緑茶の健康効果は十分に期待できます。

コレラO157、インフルエンザにも効くカテキンの強力な作用

糖尿病を撃退し便通もよくするマグネシウムたっぷり食のコツは「そばのひ孫」

マグネシウムは体内で作り出せない

マグネシウムたっぷりの食事で糖尿病になるリスクが50%近く改善するでも糖尿病にマグネシウムが効果大であることはわかりました。

マグネシウムは、カルシウムやカリウムなどと並び、私たちの生体には必要不可欠な栄養素(ミネラル)です。その主な働きは、骨や歯の形成、神経や筋肉の伝達、細胞内外のミネラルのバランス調整などです。

さらに、代謝(体内での物質の処理) など体内におけるさまざまな化学変化にも重要な役割を果たしています。糖尿病の予防・改善については、この働きが大きく関与してきます。

厚生労働省が推奨している日本人のマグネシウムの摂取量(30~60代)は1日当たり男性が370mg、女性が290mgです。しかし、実際の摂取量はどちらも3分の2程度というのが実状です。

この不足している約130mgをいかにして補っていくかが、糖尿病を防ぐ重要な鍵になるわけです。マグネシウムは体内で作られることはなく、外から取り入れるしかありません。つまり、普段の食生活の中でマグネシウムを確実、かつ持続的に摂取していくことが、何より大切になります。

標語でマグネシウムの多い食品を覚えよう

マグネシウムを食事で取り入れるために、これまでの食生活の内容をガラリと変える必要はありません。主食や副食、みそ汁の具などに、少しずつマグネシウム含有量の多い食品を取り入れていくようにしましょう。そのために大切なのは、どの食品にマグネシウムが多く含まれているかを大ざっばでいいので把握しておくこと。

そこで、レシピを考えるさいにも、この標語を基に、同じ作るならみそ汁の実をワカメにしたり、ヒジキの煮ものを1品加えたり、クリームシチューに牡蠣を使ってみたり。

こんな調子で、少しずつマグネシウムの量を積み重ねていけばいいのです。これなら、無理なく、自然にマグネシウムたっぷり食を習慣にしていくことができます。

標語をなかなか覚えられないという人は、まずは和食を心がけ、きちんと1日3食食べるよヽつにしましょう。

こむらがえりや便秘も解消する

一覧表を見ればわかりますが、マグネシウムの含有量が多い食材とは、バナナ以外はほぼすべてが和食に使われる素材です。ランチのときに、メニューをパスタよりもそば、カレーライスよりも幕ノ内弁当にするといった心がけでも、マグネシウムの摂取量が変わります。

また、糖尿病の増加と穀物の摂取量、つまりマグネシウム摂取量の減少は関係しています。意外に思われるかもしれませんが、1日3回主食をきちんと取ることも重要なのです。

また、一般に、精製された白い食品よりも、未精製の黒い食品のほうがマグネシウムの含有量が多くなります。砂糖なら白砂糖よりも黒砂糖。ご飯を食べるにしても、過に何回か玄米や五穀米を取り入れる、パンも白い食パンよりもライ麦パンを選ぶなどができれば理想的です。

また、今はマグネシウムを含んだサプリメントや飲料水が販売されています。これらを上手に利用してマグネシウムを摂取するのもお勧めです。こちら

マグネシウムをきちんと摂取できていると、手足のつり(こむら返り)がなくなったり、便秘が改善されたりといった、体調にもよい変化が出てきます。それが血糖値改善のサインになるかもしれません。

そ=そば(33mg)
ば=バナナ(32mg)
の=のり(300mg)
ひ=ひじき(620mg)
ま=豆(大豆22mg)
ご=五穀(アワ110mg、きび84mg、大麦25mg)
と=豆腐(絹ごし44mg)
ま=抹茶(230mg)
ご=ごま(いりゴマ360mg)
わ=わかめ(1100mg)
や=野菜(オクラ5mg、ゴボウ54mgなど)
さ=魚(あさり100mg、真味34mg)
し=椎茸(干しシイタケ110mg)
い=いちじく(乾燥いちじく62mg)
こ=コンブ(利尻コンブ40mg)
か=(牡蠣74mg)
い=いも(さつまいも25mg)

マグネシウムたっぷりの食事で糖尿病になるリスクが50%近く改善する

ドロドロになる糖の血液が血管を傷つけてしまう

糖尿病は血管の病気です。そう言うと、首を傾げる人がいるかもしれません。確かに、糖尿病は血糖、つまり血液中のブドウ糖が増え過ぎたことから体調にいろいろな不具合が起こる病気ですから、血液の病気とも言えるでしょう。

しかし、単に血糖値が高い状態だけなら、それほど問題ありません。糖尿病が本当に怖いのは、その先。高血糖でドロドロになった血液がゆつくり、そして確実に血管を傷つけていくことにあります。

そして、そこに待ち受けているのは、細くて小さな血管を侵す細小血管障害と、大血管障害。どちらも命に問わる深刻な血管の病気なのです。

細小血管障害は、糖尿病特有のものと言えます。特に、視力が侵される糖尿病網膜症、下肢の末梢循環が低下する糖尿病壊痕、腎臓の機能が低下する糖尿病腎症。糖尿病の3大合併症と呼ばれ、改善が困難な病気となっているこれらの病気は、いずれも柵小血管障害です。また、大血管障害は、いわゆる動脈硬化で、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞など重大疾患のリスクを高めます。

糖尿病の合併症 http://diabetes-d.com/

こうしてみると、糖尿病が血管の病気であること、それも放置しておくと生命にかかわる危険な病気であることがおわかりいただけると思います。

糖尿病増加の背景にマグネシウム摂取の減少

糖尿病の予防・改善といえば摂取カロリーの調整や適度な運動が知られていますが、これに加え、ぜひお勧めしたいのが「マグネシウムを積極的に摂取すること」です。その理由は、糖尿病は「太っている人がかかる病気」というイメージが強くあります。

確かに、肥満は糖尿病の大敵であり、内臓肥満が糖尿病の発症に深く問与していることは問違いありません。ただ、糖尿病には、それだけでは説明できない側面もあります。それは、「太っていなくても糖尿病になる人が多い」という事実です。この傾向は、特に日本人に多く見られます。では、

肥満以外にも原因があるとすれば、それは何か。日本人の糖尿病有病率の増加は、戦後「和から洋へ」という食生活の激変によるエネルギー摂取の過多=肥満が最大の要因と考えられていました。

しかし、1964~1973年ごろまでは、エネルギーの摂取量は一時的に2200kcal後まで増加しましたが、以後年々減少(2012年は1874kcal)しています。それでも、糖尿病の有病率は増加しています。そこで、食生活が変化した中身を詳細に検証しました。

その結果、和の食材の中でも、とりわけ穀物の摂取量の減少と糖尿病の増加との相関関係が見事に一敦している事実を突き止めたのです。であるならば、穀物に含まれているなんらかの栄養素。その減少が糖尿病増加の鍵を握っていると考えられるわけです。穀物には、多彩な栄養素が含まれていますが、中でも私が注目したのがマグネシウムです。

インスリンの分泌量を増やし働きもよくなる

理由はエネルギー産生、つまり糖が分解・処理される過程で、マグネシウムが非常に重要な役割を担っているからです。摂取されたブドウ糖は、分解されてATP(アデノシン三リン酸)という物質が産生されます。

このATPがさらにADT(アデノシンニリン酸) に変わるさいに発生するエネルギーが、細胞活動に使われるのです。

実は、マグネシウムには、ブドウ糖からATPを合成するのに必要な10種類以上の酵素を活性化する働きがあるのです。さらに、多くの学者による研究で、マグネシウムはインスリンの分泌量を増やし、働きをよくするという面からも糖尿病に有効であることが明らかになってきました。

例えば、九州大学大学院医学部・久山町研究室が地域住民1999人を21年間にわたって追跡調査した大規模な臨床疫学研究では、「マグネシウムの摂取量が増えると、2型糖尿病の発症リスクが37%低下する」という結果が出ています。また、米ノースカロライナ大学医学部や東京慈恵会医科大学など7大学の研究者が共同で行った研究では、マグネシウムの摂取量が多い人は、少ない人に比べて糖尿病発症率が47%低いと報告しています。

食事管理も運動もがんばって努力しているのに、それでもなかなか血糖値が下がらないという人は、マグネシウム不足が原因かもしれません。

マグネフォース 濃縮されたミネラル液でマグネシウムを摂取するでも紹介されていますが、マグネシウムは便秘改善にも非常に効果的です。頑固な便秘改善にも役立ちます。

大学病院の抗加齢ドッグでも推奨されているベスト3はニンニク・青魚・赤ワインの3つ

私も実践したら効果を再確認!10kgの減量に成功

シミやシワが多く、見た目の年齢が老けている人ほど、血管年齢も高いことが、大学の研究でわかりました。そして、見た目の年齢とともに、血管年齢も若返らせる方法は、エンドセリン1とAGEを減らし、内臓脂肪をためないことです。

これらは、シミを増やし動脈硬化を進める共通の原因です。改善策として、最も身近で手軽、さらに効果的な方法は、食事のしかたです。

まず、「三角食べ」をしている人は、今日から野菜を先に食べ、続いて肉や魚、大豆などのたんばく質、最後にごはんやパンなどの炭水化物を食べるようにしましょう。

これにより、血糖値の急激な上昇を抑え、血管への負担を減らせます。ちなみに、私はこの方法で食べるようにしてから、運動療法も合わせて体重が10kg減りました。

また、内臓脂肪をためないためには、もちろん腹八分目に。食べ過ぎは禁物です。揚げ物や妙め物など、高温で急速に料理をするとAGEが増えてしまいます。できるだけ、煮る、焼くといった調理法をするとよいでしょう。
AGEの排除は純炭粉末 きよら

アンチエイジングに有効な食品

お勧めしている食べ物はまず、イワシなどの青魚です。青魚には、動脈硬化を予防するとされる不飽和脂肪酸のEPAが豊富です。

EPAは処方薬にもなっていて、これを服用した40代の女性は血管年齢が20歳も若返り、シミも小さくなりました。苦手だった青魚を食べるように心がけ、1年後に顔のシミの面積が小さくなり、見た目年齢が7歳若返ったという、60代の例もあります。

次に、ニンニクです。体によいとされる食品の情報は多くありますが、医学的な根拠があるものだけをすすめています。

ニンニクについては、継続的な摂取により、血管の弾力性が増したというデータが1997年に発表されています。スパゲッティやチャーハンにニンニクを入れるとおいしさが格段にあがります。
50代の男性の患者さんは、ニンニク入りスパゲッティをよく食べるようにしたところ、1年ほどでカサカサだった肌にハリが出て、血圧も安定してきました。自炊などが難しい場合は、こちら

また、お酒を楽しむのであれば赤ワインです。赤ワインには、レスベラトロールという、酸化を防止する物質であるポリフェノールが含まれています。

レスベラトロールのヒトにおける実験で、動脈硬化を防ぐことや、脳の血流量を増やすことで認知症を予防する可能性のあることが報告されています。1杯日はビールでも、2杯目からは赤ワインを飲むように習慣化できるといいでしょう。できそうなものを少しずつ取り入れ、若々しい血管と見た目を手に入れましょう。

内臓脂肪を減らしたいのならサルバチアダイエットがおすすめです。

血管をしなやかにして心臓の骨化を食い止める栄養素

サプリからの摂取ではなく食事からとる栄養が基本

心臓の「骨化」は、冠動脈が動脈硬化を起こすと生じます。そのため、骨化を予防するには、まず動脈硬化の進行を防ぐことが重要です。

動脈硬化を促進する危険因子として、肥満、運動不足、偏った食生活(特に動物性脂肪の取り過ぎ)、喫煙、高血圧、脂質異常症(高脂血症)、糖尿病、ストレスなどが挙げられます。

高血圧や脂質異常症、糖尿病などの持病がある人は、その治療をきちんと行うことが先決です。基本的なことですが、適度な運動とバランスのよい食生活を心がけて、肥満を解消することや、禁煙もぜひ実行してください。

食生活に関しては、まず毎日の食事で、カルシウムをしっかり取ることが必要です。骨化は体内のカルシウム不足が引き金となるからです。日本人のカルシウム摂取推奨量は、成人男性で1日当たり700~800mg、成人女性で650mgとされていますが、現実には多くの人が不足しています。

それを補うために、小魚や大豆・豆製品、葉物野菜、海藻、乳製品などカルシウムを多く含む食品を積極的に取ることが大切です。

特に女性は閉経後、女性ホルモンの分泌が低下するので、骨からのカルシウム溶出が増大します。

そのため、骨租髭症の予防のためにも、食事でカルシウムをしっかり取ることを心が」けましょう

なお、カルシウムはサプリメントで摂取するよりも、食事から取るのが理想です。サプリメントの場合、体内に速やかに吸収されて血中カルシウム濃度が急上昇しますが、これがかえつて骨化を促進する恐れがあるためです。

カルシウムが豊富な食品を多く取るとともに、適度に日光を浴びることと、少し負荷のかかる運動を習慣にしましょう。日光を浴びると、カルシウムの吸収を助けるビタミンDが体内で合成され、骨に負荷のかかる運動を行うと、カルシウムが骨に沈曲者しやすくなります。

l年で骨化の進行が抑制きれたという報告も続々

カルシウム以外にも、骨化の予防・改善に有効な栄養素があることがわかっています。ビタミンKと、魚に多く含まれる脂肪酸であるEPA(エイコサペンタエン酸) とDHA(ドコサヘキサエン酸) です。

ビタミンK は脂溶性のビタミンで、納豆に多く含まれています。最近の研究によると、基準量を満たすようにビタミンKを摂取すると、1年ほどで骨化の進行が抑制された、との報告があります。

ビタミンKは、血管の内部に入り込み、動脈硬化を起こした血管壁にカルシウムが沈着するのを防ぐ働きがあると考えられています。
ビタミンKが多い食品の代表格は納豆ですが、血栓を溶かす「ワーファリン」という薬を服用している人は、薬の効果を打ち消してしまうため、納豆を食べてはいけません。

ほかには、モロヘイヤやコマツナ、シュンギクなどの葉物野菜、ワカメ、ノリ、ヒジキなどの海藻類に、ビタミンKが多く含まれています。ワーファリンを服用している人や、納豆が苦手な人は、これらの食品を積極的に取るようにしましょう。

魚を食べる日本人は白人に比べて進行が遅い

EPAやDHAに心臓の骨化を抑制する働きがあることは、日本人と白人の比較研究がきっか」けでわかりました。実は、日本人は白人に比べて、心臓の骨化の進行が遅いのです。骨化の度合いと、栄養素の摂取状況の関係を統計的に調べた結果、EPAとDHAを十分に取っている人は、骨化の進行が抑えられていると判明しました。

とはいえ、食生活の洋風化や肉など動物性脂肪の摂取が増えたことにより、日本人のEPAとDHA摂取量は減少傾向にあります。EPAやDHAは、イワシやマグロ、サバ、タイ、ブリ、サンマ、サケ、アジなどの魚に多く含まれています。

食事では肉ばかりに偏らず、魚も毎日食べるようにしましょう。このように心臓の骨化は、生活習慣、とりわけ食事と深い関係があります。年齢とともに進む心臓の骨化を食い止めるために、自分の生活習慣や食事内容を見直して、できるところから改善に取り組んでください。

心臓の骨化を防ぐ栄養素

カルシウム
  • 小魚
  • 大豆や大豆製品
  • ほうれん草
  • 小松菜
  • 春菊
  • 海藻類
  • 乳製品
  • EPA・DHA
    • いわし
    • まぐろ
    • サバ
    • タイ
    • ブリ
    • サンマ
    • サケ
    ビタミンK
    • 納豆
    • ほうれん草
    • 春菊
    • 海藻類

    マンボウの肝油

    死亡率が10倍!カルシウム不足が原因で心臓が硬くなる「骨化」

    60代男性の約20%の心臓は骨化している

    全身に血液を送り出すために、休みなく働いている心臓。体のほかの臓器と同様、心臓も加齢とともに機能が低下します。
    心臓を動かし続けている心筋は、年を重ねるにつれて筋肉が硬く変性し、心臓は徐々に小さく硬くなります。

    そうした心臓の老化現象の1つとして、近年の研究で新たに明らかになってきたのが、心臓の「骨化」です。

    骨化とは文字どおり、本来は柔らかい組織が、骨のように硬くなってしまうこと。心臓の骨化が起こる場所は、心臓を囲むように走っている冠動脈という太い血管で、動脈硬化に併発するかたちで生じます。

    通常の動脈硬化では、脂肪などが蓄積した結果、プラークと呼ばれる袋状の柔らかい塊が、血管内にできてしまいます。このプラーク内に、何らかの原因でカルシウムが沈着してしまった状態が、骨化です。

    通常の動脈硬化が、骨のように硬くなってしまうこと。

    心臓の骨化が起こる場所は、心臓を囲むように走っている冠動脈という太い血管で、動脈硬化に併発するかたちで生じます。

    プラークは、脂肪分や細胞の死骸など柔らかいものばかりなので、プラークがよほど大きくならない限り、破裂する危険性は高くありません。ところが、プラークの中で骨化したカルシウムは、ゴツゴツと硬く角が立った状態です。やや乱暴な例えをすると、風船の中にとがった小石を入れているうなもので、ささいな衝撃でもプラークが破れてしまい、冠動脈に血栓(血の塊)が詰まっ心筋梗塞や狭心症を招いてしまうのです。

    最近の研究で、心臓の骨化が起きている人は、心筋梗塞や狭心症、脳卒中などの脳血管疾患による死亡率が、10倍も高まることが明らかになりました。そのため、健康上注意すべき病変として、心臓の骨化が注目されているのです。冠動脈が骨化している人の割合は加齢とともに増加し、男性では50代で16%、60代で20%くらいです。

    女性の場合は、月経がある間は骨化はほとんど起こりませんが、閉経後に骨化が急速に進む傾向が見られます。ただし、個人差が大きく、動脈硬化が進んでいても骨化が起きていないケースもあります。

    不足するとカルシウムは骨から溶け出す

    なぜ、骨化が起こるのでしょうか。骨化が起こる主な原因は、体内のカルシウム不足です。体内のカルシウムが過剰なため、余分なカルシウムが血管のプラーク内に沈着して骨化すると思われがちですが、実は逆なのです。

    カルシウムは骨や歯を構成する主成分ですが、神経の伝達や筋肉の収縮、ホルモン分泌や免疫機能を正常に保つなど、体内で重要な働きをしています。

    そのため人体には、血液中のカルシウム濃度を一定に保つしくみがあります。血液中のカルシウムが不足すると、副甲状腺ホルモンが分泌され、骨からカルシウムを溶かし出して血液中に補給します。

    そうして、血液中に増えたカルシウムが血管のプラーク内に蓄積される結果、骨化が起こるのです。体内のカルシウムが不足するほど、骨からカルシウムが過剰に溶け出して、血管や脳、内臓など骨以外の臓器にカルシウムが沈着してしまうことを「カルシウム・パラドクス(逆説)」といいます。
    カルシウムで丈夫な骨をつくり、イライラを防ぐ

    かなり進行しても自覚症状がない

    ちなみに、カルシウムが骨以外の臓器に沈着することを一般に「石灰化」と呼びます。しかし、血管のプラーク内に生じるカルシウム沈着は、単に余分なカルシウムがたまる受動的な現象ではなく、骨の形成に働く骨力芽細胞などが関与する、能動的な現象であることがわかってきました。

    そのため、石灰化ではなく「骨化」と呼んでいます。心臓の骨化の有無は、画像検査の冠動脈CTを受けるとわかります。冠動脈CTで測定されるアガットストン・スコア(カルシウムスコア)が10以下の場合は骨化は「なし」、100 以上は「中等度」、400以上は「重度」と診断されます。

    残念ながら、一般の健康診断では、見つけることができません。心臓の骨化は、かなり進行しても自覚症状がないことがほとんどです。心筋梗塞や狭心症などを発症して、事後的に発見されるケースが大半です。

    それだけに、ふだんの生活習慣を見直して予防策を講じることが大切なのです。